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■[Velvet Sun]「美」をめぐって〜所謂一つの駄目人間〜赤裸の心 01:14Add Star
「そのグループでヴァイオリンを演奏していた、眼鏡を掛け、猫耳を装着し、奇妙な茶色い服を着た若い男の子
(恐らく大学生くらいだと思う)が余りにも美しかったのである。私に、最初にVelvet Sunを訪れた数年前の
Jam Sessionの記憶が甦った。その時も確かに彼はそこにいた。私は、当時既に、彼の美貌と魅力に強い衝撃を受け、
精神的に混乱し、抑鬱と悲嘆の底に沈んだという思い出がある。今日まさに、当時と同じことが起きたのである。」
「ともあれ、そのヴァイオリニストの若者を見た瞬間に私は以上のことを、つまり自分の「根源的喪失」を悟った、
直観したのである。平たくいえば、若い頃、私は、自分自身美しくもなかったし、美しい同性の若者と友人や恋人に
なることもできなかった。私の同性愛趣味は、恥ずかしながら思春期の頃読み耽った『風と木の詩』や『パタリロ!』
といった少女漫画に由来しており、大いに夢想的なものであった。つまり若き日の私にとって同性愛とは、
根本的で取り返しのつかない失敗や挫折の別名であったのだ。」