そこには他者に承認されたいという欲望しかありません。
たとえば、他人がどう思うかということしか考えていないにもかかわらず、
他人のことをすこしも考えたことがない、
強い自意識があるのに、まるで内面性がない、
そういうタイプの人が多い。

『近代文学の終り』柄谷行人