>>57
安倍首相は、これまでの処遇改善の施策で、「5万円近くの改善を行った」と「実績」を語っている。
後ほど「現加算」の果たした積極的役割の側面については触れるが、「現加算」についての厚労省の発表や首相の「実績」表明と現実の介護現場の意識とは大きな隔たりがある。

第1に、「現加算」は給付対象が介護職員で、それ以外の看護師、ケアマネジャー、栄養士、調理員、営繕・清掃職員、運転手、事務員などは対象外で、
訪問看護ステーション、福祉用具関係事業所など直接介護サービスに関わらない事業所は外されている。
介護職員と比較して相対的に賃金の高い看護師やケアマネジャーへの給付がなかったことはそれなりに納得できても、介護職員より処遇が下位の調理員、営繕・清掃職員、運転手、そして事務員などが対象外となっており、職場の格差を広げることになる。
これを避けるため、これらの他職種の職員へ法人が独自に給与を積み増しして対応している事業所もある。政府は、「現加算」が職種間格差を広げることに無頓着である。

http://gendainoriron.jp/vol.20/rostrum/mizuno.php