0140革命的名無しさん
2021/03/14(日) 22:10:34.33で、両党派ともやり合ったあげくにその「拠点」から居なくなりまして。その拠点だった「部屋」が蛻の殻のまま残されていたわけです。我々日和見ノンセクト数名は、その部屋を怖いもの見たさに覗きに行きました。冒険ですわ。
封鎖されたドアをこじ開け、隙間をくぐり抜けて入ったその部屋。壁一面に、対立党派を「殲滅宣言」するスローガンが殴り書きされた、狭いその部屋の光景。今でも、決して忘れることができない光景がありました。
部屋の中央に、可愛い動物のぬいぐるみがありました。そのぬいぐるみの腹には、対立党派の名前がマジックで書いてありまして。その腹に向けて、突き刺さっていたのです。
ナ イ フ が。
可愛そうに、そのぬいぐるみの「傷」からは、中から詰めものがあふれ、その部分だけダイエットしたかのように、へこんでいました。夕陽がそのぬいぐるみを脇から照らし、ナイフを刺されたままの「彼」のオレンジ色の残像は、まるで、前衛芸術のオブジェのようでした。
我々は声もなく、数分もの間、鬼気迫るその部屋に沈黙したまま立ちつくしていました。動くことができなかったのです。そして無言のまま部屋を立ち去り、無言のまま帰宅しました。