したがって、日本がシベリアへ出兵したということは共産主義革命を叩きつぶすためということにはならない。
これら大勢力に対する挑戦ということになるはずである。

そうとあれば、東京裁判の主役たるこの大勢力の怒りを買い侵略戦争というレッテルを張られること必定と思いきや、
事実はさにあらずというのが実情である。
では何故このようなことになるのか。それはアメリカも参加していたことに原因がある。

アメリカのウィルソン大統領は日本が出兵を宣言するや、その翌日に早くもアメリカの出兵を宣言しているのである。
中立主義、孤立主義の風潮の強い当時のアメリカが何故直接ほとんど利害関係のないシベリアへ出兵したのか。
利害関係があるというのなら話は全く別であるが、事実アメリカはカムチャッカの割譲を熱心に希望していたのであるが、
それはさておき、アメリカの参加の真の目的はボルシェヴィキの援助なのである。

重複をかえりみず説明すれば、このアメリカ遠征軍には奇妙なことに英語の話せない米兵が多数いたのである。
これらの米兵、実はポーランド出身のユダヤ人なのである。
つまり、隣にあってたえず自分達の脅威であったツァーを打倒したのであるからこれを永続させねばならない。
つまり、ボルシェヴィキを援助しなければならない。それがポーランドのユダヤ人が米軍に参加した理由である。

とにもかくにもアメリカ自身はるばる兵を出しているのであるから、日本を侵略者と呼ぶことはさすがに気がひけるのであろう。
以上で、満州事変以後を日本の「侵略戦争」と呼ぶ理由をお分かりいただけたと思う。