いろいろ調べた結果、現時点での俺の理解としては
「婚姻の形は何に社会基盤を置くかによって決まってくる」
という暫定結論を得ている。
優秀な遺伝子が云々とか本能が云々とかは関係ない。

(1)集団:女系社会
田畑や収穫をみんなで共有するような素朴な小集団では産まれた子供はその集団の一員となる。
このとき、父親が誰であるかを特定する必要性は認められない。誰が父であっても集団の子として扱われる。
一方、母親は産んだことから明らかなので自然と親子関係としては母子が重視される社会になる。
そのような社会ではどんな婚姻制度でも社会を成立させることができる。

(2)土地:男系社会
所有という概念が発達して土地を私有するようになると、何よりも土地の確保が重要になる。
土地が広ければ広いほど収穫は増え、人も増え、それらは土地の所有者の富に直結する。
土地を増やすのも守るのも主に武力によって行われるので、戦闘力としての男の確保が必要になる。
ここで、土地と戦闘力を継承していく方法として家父長制というシステムが成立してくる。
家父長制においては、父親と息子の関係を確定させる必要があり、女性の不貞行為が罰せられるようになる。
その一方で、男子を産む確率を高めるための合理的な手段として一夫多妻が認められるようになる。