実力というのは敵を唸らせてナンボです。
コレばかりは人間社会、古今東西の真理なのではないでしょうか?
では具体的にどういう事なんだ?
つまり敵とは、相手を駆逐せんと全神経を磨ぎすまし、否定から入る立場にあるからである。
弱点を探し、攻略せんとして相手と正面切ってぶつかる。
そんな立場にある者から、『アメイジング!』
または『やるじゃあねぇか!』を引き出したら、それは本物かも知れない。

エンジェルスの大谷を例にとってみよう。
敵のピッチャー曰く…
『何だ?オオタニだって?未だ若干デビュー仕立ての若僧じゃねーか!このジャップの若僧がメジャーの本場で二刀流だと?』

『ジャップに野球が生まれた本場のベースボールを教えてやろうじゃねーか、ゴルァww!』

という闘争心超アリアリで向かってくる訳だ。

しかしそんな敵方のピッチャー心理を読める立場にあるのは、彼が現役のピッチャーだからである。

ピッチャーは敵の心理を最も読める立場にあり、その敵のピッチャーの1試合の配球のパターンを見れば、彼が何を伝家の宝刀とし、どんな思考の元、どんな攻略を得意とするのか?読み取れる事になるからだ。

しかしながらストライクを取りにいかねば、ピッチャーはカウントを稼げない。ストライクとはバッターからすれば、安打に出来る打ち易い球だ。

敵のピッチャーはコースをついて、変化や時に緩急をつけながら、攻めはするものの、読まれていればバッターからはミートされ易い。

分かりやすく言えば、大谷の課題はいかにフルスイングが絶好のタイミングでジャストミートするかにあり、寧ろそれだけなのである。その為の配球の読みなのである。

そんな魔法の様な想定外の軌道を描く有り得ない球など投げられる訳がないのだ。何故ならどんな球でも必ず空気の抵抗を受け、万有引力により必ず球は下に弧を描く様になっている。

空気の抵抗と万有引力は必ず平等に働き、それ以外にピッチャーの作為が働いて、コースをついたり、変化をつけたり、緩急をつけているに過ぎないのである。