福井県鯖江市の鼻毛はさみの老舗会社、株式会社仰木が一騎に業界のトップに
躍り出た。社長の仰木一騎さんの経営哲学は「なんにしても、その道で10年は
やりぬくこと。それが成功の秘訣です。あきらめたらダメです」という。そう
いう仰木さんも80年代には普通のはさみを細々と生産していたが、中国などの
価格の安い外国産はさみに次第にシェアを奪われていき、とうとう廃業する寸
前になった。そこで思い立ったのが、日本人の鼻毛に対する美容意識の高さ。
鼻毛に特化した鼻毛切りばさみを生産すると、瞬く間に注文が舞い込み、今で
は業界のトップに躍り出た。「やはり同じものをつくるにしても視点を変えて
みれば成功するかもしれません。それは偶然の思いつきかもしれませんが、あ
きらめずに信念をもって続けていれば、きっと成功します」と仰木さん。古い
技術、古いノウハウ、それでも少し機転をきかせば成功すると仰木一騎さんは
いう。(経営新聞より)