その坂道の脇に設置されてる自動販売機を双眼鏡で見ながら、「あ、大きな蛾が飛んでるな〜」なんて思っていたら、
坂道の一番上のほうから、物凄い勢いで下ってくる奴がいた。
「なんだ?」と思って双眼鏡で見てみたら、
広島人でめちゃくちゃ太った社長みたいな奴が、満面の笑みを浮かべながらこっちに手を振りつつ、猛スピードで走ってくる。
奴はあきらかにこっちの存在に気付いているし、俺と目も合いっぱなし。
ちょっとの間、あっけに取られて呆然と眺めていたけど、
なんだか凄くヤバイことになりそうな気がして、急いで階段を下りて家の中に逃げ込んだ