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411 :俺より強い名無しに会いにいく [sage] :2017/11/02(木) 20:08:08.08 ID:sDdPEpY+0 (2/4)
 夜中三時半の月光が、肛門砂漠に二つの影を作っていた。
この辺りにも、かつては肛門人の築いた豊かな街や、美しい歩道、堅牢なビルがあったのだろうか。
だが、今あるのは砂だけだ。一面の砂世界の中を、リキとシンの二人は歩いていた。

「隊長は・・・・・・」リキは、それまでの沈黙を破るように口を開き、少しの躊躇のあと、再び続ける。「この空気の中に、何か感じませんか?」
「空気? 激臭についてなら、もう安全だね。もう空気中には殆ど残っていない。でもさぁ〜−」
「でも?」
「なんか・・・・・・臭うんだよねぇ〜」

 その言葉を聞いた途端に、リキは目を輝かせた。

「その通りです! なぜ皆はわっかんねーのかと、不安に感じていたんです。激臭は確かに、まだそこにある。シン隊長なら分かってくれると思っていました。」

 上機嫌になったリキは、空の星を見上げながら詩を読み始めた。

  二十歳超越助言皆無。肛門執着者助言皆無。我最終人物・・・・・・

 それは?と尋ねるシンに、リキが答えた。「かつての彼らの神、肛門の神の言葉です。最後の部分は解読できませんでしたが」
「肛門の神?」
「はい。今では肛門人と呼ばれる彼らも、元は梅の国の人間でした。だが、彼らは門の向こうに取り残された。
逃げ遅れた人、激臭を食い止める為に残った人、開門を許可されなかった罪人・・・・・・それが肛門人の起源です。
そして、全てに見放された彼らを救ったのが、肛門の神の言葉でした。彼は、全ての肛門人の最後の人になったんです。そうして団結した彼らは、自らを門者と名乗るようになりました。」
「まーーーーーーーーーーーーじか! さァすがに肛古学者だね〜」

 話しながら歩いている内、リキが足を止めた。そこには、肛門人の町の廃墟があった。

「見てください。シン隊長。実は今朝発見したんです。小さな町だったようですが・・・・・・中にはまだ読める文献もあります。
彼らは、その、肛門人の文学とでも言いましょうか? 文章を好んでいたようなんです。肛門の神話から、不遜な狸を成敗する侍の話まで様々です。
それでお願いがあります。シン隊長。僕をここに残して、しばらく研究をさせてもらえませんか?」
「わっかったよ。それが本業だしね〜他の皆には言っておくからさ。リキは好きなだけトレモしな?」