こくの味噌 名作 こくじん 勝久 キーマ 正義 タクシー
279 :俺より強い名無しに会いにいく@無断転載は禁止 [sage] :2017/03/15(水) 02:03:53.82 ID:cwORvx0E0 (1/4)
 生きるからには、食わねばならぬ。
食ったからには、糞しなければならぬ。
糞したからには、肛門は汚れなければならぬ。
故に、生とは激臭なり。
この道理に抗いたくば、浅草に住まう肛神の加護を受け、門者になる他無し。

 その年、千人の男が道場の門を叩いた。
長く厳しい修行の末、千人だった門弟が百人になった頃、ようやくにして浅草行きが許された。
だが、それは始まりに過ぎぬ。
地獄のような旅を経て、多くの門弟が道半ばで力尽き、浅草に辿り着けた門弟は三人に過ぎなかった。


280 :俺より強い名無しに会いにいく@無断転載は禁止 [sage] :2017/03/15(水) 02:05:05.69 ID:cwORvx0E0 (2/4)
 三人の門弟が、浅草山の頂上に位置する塔の門を開き中に入ると、どこからともなく肛神の声が響いてきた。

「人の身でありながら、良匂の尻を望むとは不遜なり。ならば、その不遜が許されるだけの才を見せよ」



 三人のうち始めに声をあげたのは、門弟一の荒くれ者である力之助だった。力之助は、刀を振り回しながら言った。

「我は門弟一の侍である。この刀で多くの肛門を犯してきた。この力こそが、我が肛門を征服する道理である」

 すると、虚空から突如として巨大な成敗棒が現れ、力之助の刀を打ち砕いた。

「力で栄えし者は、力によって滅ぶものなり。そのことにまだ気付かぬか」

自慢の刀を折られた力之助は、肛神の説法を聞くと、まるで女人のように泣き叫んだ。


281 :俺より強い名無しに会いにいく@無断転載は禁止 [sage] :2017/03/15(水) 02:06:57.49 ID:cwORvx0E0 (3/4)
 次に、肛神は勝太郎に才を問うた。勝太郎は、門弟一の切れ者である。
だが、これまで多くの窮地を、他の人間を操って乗り越えてきた勝太郎は、一人で何かを成すことはできず、ただ沈黙する他なかった。

「他人任せの才を誇るなど、たわけ者の戯れ言なり。」

 勝太郎は、己の自力の無さに驚き、そして恥じた。