音楽業界にもミュージシャンにもバブル世代の人たちが多く、お元気なんですね。全然引退とかしてくれないし(笑)
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中野:若い人のほうが諦めている感じが強いですよね。むしろ70歳から80歳にかけての人たちのほうが、もっとギラギラしていて。しがみつかないと、という力を感じる。私と岸田さんはその中間の世代ですが、どっちとも言えないというか。戦争こそ経験していませんが、結構、割を食っていると思うんです。

岸田:わかります。それを言いたいけれど言っても無駄だから、ゴミみたいな気持ちがたまっていきますよね。

中野:バブル世代ほどいい思いもしていないし、ゆとり世代ほど、子どもを大事にしようという社会通念の恩恵を受けてもいない。そもそも「人口爆発」の脅威が叫ばれ、「明るい家族計画」という言葉があった時代でしたからね。戦争そのものではありませんが、「受験戦争」は経験している。文字通り、勝ち進まなければ落伍者と扱われる世界。同年代の人数が多いから、一つ何か突出していないと埋もれてしまう感もあり、かといって悪目立ちしても駄目で。頑張って入った大学を卒業してみたら就職氷河期で、経済的に子どもを産む選択をできなかった人も多い。

岸田:そうですね。ロストジェネレーションと呼ばれる世代ですね。

中野:本当に失われていますね。われわれが産むはずだった子どもたちも、全員あらかじめ失われているようなもので、そこが生まれていれば少子化なんて言われなくて済んだのかもしれません。

岸田:僕らの世代がおじいさん、おばあさんになったらどうなるのだろう、ということを最近たまに考えるんです。でも僕の周りの同世代にはちょっと変わった人しかいない。変わっている同い年ぐらいの人たちは、サンプルとしては好ましくない。

中野:それはそうでしょうね。

岸田:小学校のときの同級生とかと集まって話すと、よくも悪くも思い描いていた大人と違うものにみんななっている感じがします。やっぱりわれわれの世代では仮想モデルとしての大人はバブル世代の人たち。音楽業界にもミュージシャンにもバブル世代の人たちが多く、お元気なんですね。全然引退とかしてくれないし(笑)。僕たちの世代が割を食っているというのは、みんな思っていそうです。