>>541続き ※絵露有無:無

 ヒジオとキノエットの2人はそれぞれお金持ちの家で育ったので、
 貧しい暮らしは不慣れで大変でした。
 しかも、キノエットは妊娠に伴うつわりが酷く、
 気分も不安定になりがちでした。
 ヒジオがアルバイトに出かけようとすると、キノエットは
 『とても不安なの。いつ、両親や妊婦マニアさん達が自分達の
  居場所を突き止めて、連れ戻しにするか怖い。。
  怖いから、そばに居てほしい』と震えながら懇願します。
 しかし、そのたびにヒジオはキノエットを抱きしめて言います。
 『耐えてくれ、キノエット!―僕が働かないと、僕らは生きて
  いけないんだ!今が一番の踏ん張りどころなんだ!
  2人に何れ本物の幸せが来ることを信じて、今は耐えてほしい!
  僕も頑張るから!』とキノエットに言い聞かせました。
 
 キノエットは、ヒジオをこれ以上困らせないように、
 黄色いクマのぬいぐるみで孤独を紛らわせることにしました。

 そんなこんなでキノエットは妊娠21週と6日を迎えました。
 妊娠月数で言えば、妊娠6ヶ月目に入っていました。
 キノエットのお腹はぽっこりしてきていました。
 キノエットはその日も寂しいながらもヒジオの帰りを待ちつつ、
 安産対策のために近所をウォーキングしていました。
 すると、『キノエットがいるぞ!』と声がしました。
 キノエットもヒジオ同様、短距離走でインターハイ優勝経験があり、
 俊足であったため、妊娠中にもかかわらず凄い勢いで逃げ出しました。
 後ろから凄い形相で追いかけてくる人が居ます。妊婦マニアです。
 一見、身重のキノエットは不利に思えましたが、
 妊婦マニアはdbであったため、鈍足でキノエットに
 追いつけないどころか、松村邦○みたいに途中で心臓が止まり、
 救急車で運ばれました。