>>545 続き ※絵露有無:無

 しかし、妊婦マニアが息を吹き返した頃、ヒジオとキノエットは
 ブリュッセルには居なくなっていました。

 スイスまで逃げたヒジオとキノエットは、
 夫婦揃ってホテルで働くことにしました。
 ヒジオはベルボーイ、キノエットはメイドとして働き始めました。
 キノエットは日に日にお腹が大きくなるので、
 労働は辛いものでしたが、そばに愛する人がいるので
 ブリュッセルに居たころのように精神不安定になることもなく
 何とか耐え凌ぐことが出来ました。

 そして、2人は住み込み先であるスイスの勤務先のホテルで
 出産予定日当日を迎えました。
 キノエットがいつものように宿泊客の部屋のベッドメイクをしていると
 いきなり腹部に痛みが走りました。
 キノエットがうずくまっているのを発見したホテル従業員が
 ヒジオに緊急事態を告げ、ヒジオがキノエットの元にやって来ました。
 『病院へ行こう。2人の愛の結晶を世に送り出す時がやって来た』
 キノエットは大きな大きなお腹を抱えながら非常に痛がっていましたが、
 ヒジオの言うことに黙って頷きました。

 そして、近所の病院へ辿り着くと、キノエットとヒジオは
 陣痛室へと通されました。
 キノエットは、ヒジオに背中をさすってもらいながら、
 陣痛をやり過ごしています。

 そうこうしているうちに、ヒジオのLINEを受けた棒ヤンが
 やって来ました。棒ヤンはこう言いました。
 『ヒジタギュー家とキノレット家の両家は和解しました』
 驚く2人に棒ヤンはこう続けます。