>>106 続き ※絵露有無:有

 『僕は君のことが好きだ。心の底から君を愛している。
  でも、君は心に傷を負っている。
  僕は、君の心の傷が癒えるまで待ちたい。
  君は僕のこと、どう思っている?』
 すると、青姫は
 『こんなにひじに大切にしてもらえて幸せ。気付かないうちに
  自分の中でひじの存在感が大きくなっていた。
  こちらこそ、ひじのことを心の底から愛しています』
 と頬を赤らめながら言いました。
 ひじきは、震えている青姫に再び優しく語りかけました。
 『君は、その思い出したくもないであろう鼻毛男のせいで
  男性不信になってしまったかもしれない。
  だから、男には触れられるのも嫌かもしれない。
  でも、君は僕を愛していると言ってくれた。とても嬉しかった。
  この両想いになれた喜びを君と分かち合いたいと思う。
  口付けしてもいいかい?』
 すると、青姫は潤んだ瞳でこっくりと頷きました。
 ひじきは優しく青姫の麗しい唇に口付けをしました。
 青姫は愛する人と愛を交し合えた喜びから、涙を流していました。
 この様子を陰から見ていた桜天女と穂プレガと薔薇一とスワンは
 正直、心優しくて池面のひじきと恋仲になった青姫を
 羨ましく思いました。
 4人はひじきを邪険に扱ってしまったことを後悔し、
 皆でひじきに謝りに行きました。すると、ひじきは
 『僕はいたらない人間さ。人の心の機微にも疎いし、
  尿意は我慢できないし、芸術にも明るくないし、
  君達の顔の区別も付かない。でも、こんな僕に心を開いてくれて
  とても嬉しい。これから仲良くしていこう』と言いました。
 4人はニッコリと笑って、ひじきと握手しました。