>>960 続き ※絵露有無:無

 『そんなわけにはまいりません。これはあなたのお金でしょう?』と
 穂プレガは固辞しようとしましたが、
 『このお金がないと妖精さんは氏んでしまうでしょう。。
  ぼくはあなたが氏ぬのは見たくない。
  どうかこのお金を持って行って』と言いました。
 穂プレガは、
 『あなたはどこまで優しい熊さんなの?
  優しいお心遣い、本当に感謝いたします。
  このお金は必ずお返しいたします』と言って、
  1000ユーロを黄熊から受け取り、その場を去りました。
 
 穂プレガは約5時間歩き、ようやく大都市のマドリードに到着しました。
 『(あのカッコイイヒーローのヒジエルマンさんはいるかな?
   一言でもいいからお礼が言いたい)』と思いながら、
 穂プレガが歩いていると、不動産屋が現れました。
 穂プレガは黄熊からもらった1000ユーロの一部を使い、
 この不動産屋で、賃貸アパートに部屋を借りることにしました。
 『さて、部屋も借りたことだし、働かなくっちゃ!!』
 穂プレガの母国での元々の職業は、Fィギュアヌケートの先生でした。
 だから、新しい国・ヌペインでもFィギュアヌケートを教えようと
 思いましたが、ヌペインはFィギュアヌケート後進国でした。
 穂プレガはヌケートリンクを求めて数日間歩き回り、
 ようやく1週間経って小さなヌケートリンクを見つけました。
 穂プレガはそのリンクの門を叩いて、コーチになるための試験を受けると
 すぐに受かりました。
 オーナーさんの話によると、このリンクはコーチが1人しかおらず、
 人手が足りなかったというのです。
 『あなたの同僚となるもう1人のコーチをご紹介します。
  このマドリード市出身の“ひじき”です!』と
 紹介された男性は、なんとあの忌まわしい裁判の時、
 穂プレガを救ってくれたヒーローでした。