>> 続き ※絵露有無:無

しかし、世間の多くの人に
「A川S香ときにゅうきのこ、どちらが人生の勝ち組か」と聞くと、
「A川S香」と答える人が多数だろう。
なぜなら、A川は結婚当初から夫が金持ちの医者で自らも五厘金メダリストだったが、
きのこがヤオヒジと結婚した時、ヤオヒジはカネコマの貧乏ヌケーターだったからだ。

きのこは結婚当初、
「あんな女たらしの貧乏ヌケーターと一緒になって…しかも&実奇のお古よ」と
ヒソヒソされたこと間違いなしだろう。
恋愛と結婚は違う。
恋愛はやれ顔がいいだの胸がときめくだので付き合うが、
結婚は経済力が大きくものを言う。
冷静に考えてみると、きのこが金目当てでヤオヒジと一緒になったわけではない。
きのこは相手を経済力だけで見るような打算的なメスではないということだ。
ヤオヒジのことが純粋に大好きだし、ヤオヒジの人間性に惹かれて結婚した。
きのこを打算的な槍漫だと思いたい。
そして、そんなきのこをヤオヒジと離婚させたい。
自分にとって都合の悪いものは見たくない。
しかし、現実は違うのかもしれない。
ヤオヒジを不憫だと思っていたのも、
ただそんな自分に酔っていただけかもしれない。
表面的には内無良公平×きのこがラブラブに見えたわけだが、
それは所詮、表面的な事象に過ぎなかった現実をまざまざと突き付けられてしまった。
俺は今日も夜な夜な涙が止まらない。

―完―