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1957〜1987年あたりの本格ミステリ作家達 4

0001名無しのオプ
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2010/09/24(金) 22:33:43ID:tbMTY///
落ちてたようなので、初代スレ3氏他多くの方々の帰還を願いつつ立て直してみますた

過去スレの>>1さんの主旨です
>清張以降綾辻以前の本格ミステリは、泡坂・島田・笠井・連城・東野・岡嶋などといった一部を除いて絶版が多い。
>また、名前は知られていても本格ミステリ作家としての認知度が低い作家も多い(笹沢・西村・森村等)。

>この時期に活躍した本格ミステリ作家達のうち専用スレがない作家達の傑作・駄作を紹介して下さい。
>(要するに「ミステリーズ」でやってた「本格ミステリフラッシュバック」のようなものです)

過去スレ
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1143140545/
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1195364956/

前スレ
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1237095365/
0233名無しのオプ
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2012/06/02(土) 22:34:50.03ID:TaMjtGIR
3氏殿
久々のアップで嬉しい限りです。
0234名無しのオプ
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2012/06/03(日) 15:16:42.65ID:sZ2BwM1t
高柳芳夫の「『禿鷹城』の惨劇」を読んだ
題名の響きと目次におどる密室の文字にワクワクして購入。
……本格魂は感じられるし、どんでん返しをしっかり仕込んであったり、凝りに凝った物理密室トリックなどは良いんだが
小説としてはどうかと思った
登場人物が無暗に多すぎるのと社会派要素と本格要素が分離していた印象
0235初代スレの>>3
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2012/06/04(月) 12:42:55.15ID:IdbNwq4r
梶龍雄「女たちの復讐」(トクマノベルス)★★★☆
久々に読む梶龍雄作品、これは1986年の長編。
興信所の探偵・真藤は知り合いの由香と鏡子の姉妹に騙され、全裸で監禁されてしまった。彼女らの父親
を殺した犯人が真藤だと言う。実は真藤は裏稼業で殺し屋もしており、確かに或る依頼者から彼女らの父
親殺しを依頼されていたのだが、真藤が被害者の住む熱海の別荘にやって来た時には、相手は既に何者か
によって殺された後だった。それを信じようとしない姉妹に対し、真藤は監禁されたまま、真犯人は誰な
のかを推理し、身の潔白を証明しようとするのだが・・・。
全裸で監禁だの、本筋に関係ないヒャッハー男の乱入など、エロ路線のサービスぶりが鼻につきますが、
のっけから異常な状況で展開する辺り、「浅間山麓殺人推理」に近いテイストで、主人公のキャラも軽ハー
ドボイルド風ではありますが、やはり、数年前に起きてしまった殺人事件を、関係者が説明してゆき、そ
こから真相に至る展開での謎解きには苦労したようで、説明ぶりが何とも渋滞気味で、二転三転する展
開なのに何故か重苦しく、話のスムーズさを欠いてしまったようで残念。それでも、さすがは梶龍雄、ダ
ラダラした説明にも周到に伏線を張っており、或る些細な事実から意外性のある真相を導く手際はなかな
かのもの。佳作というには一寸、ですが、決して凡作ではないと思います。
・・・これで梶龍雄も確か38冊目くらい、残りはあと3、4作くらいかなあ?
0236初代スレの>>3
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2012/06/13(水) 12:30:14.40ID:5lMdi9rO
船山馨「海の壁」(河出文庫)★★
1959〜63年に発表された2中編&連作の全3本を収録。
表題作は、保険会社社員が出張中に失踪、その妻が単独で夫の行方を追う。やがて神戸港で水死体が上が
り、夫と目されるが、信じ切れない妻は更に事件の真相を追及するのだが・・・。
発表時期からみても、完全な清張の亜流。真犯人の意外性はなかなかのものだが、およそ中編レベルで収
めるには無理があり、伏線が不十分で、真相の解き方に欠点が露わになってしまった。身内が証言するア
リバイを「疑問の余地がない」とする点にも、作者の素人ぶりが如実に現れている。少々ヒネッた構成は良
かったのですが・・・。
「兜町殺人事件」も同様。錯綜した裏の裏の真相、真犯人の巧妙な手口などプロットは面白いのに、謎の隠
し方と解き方が甘い。とはいえ、これは一応水準作でしょうか。
「明日を売る男」は、謎めいた男に会った人々が人生を転落してゆく様を描いた全4話の連作。柴田錬三郎
「幽霊紳士」というか、「わらゥせぇるすまん」に近いテイストか。謎解き物ではないが、この時期にしては
センスの良い連作だとは思います。
0237初代スレの>>3
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2012/06/13(水) 12:32:07.39ID:5lMdi9rO
林葉直子「気まぐれ天使は夜空がお好き!−恋の事件簿」(学習研究社)★
1992年のシリーズ物?の長編。作者はむろん、あのお騒がせ天才女流棋士、数々のスキャンダルの後、
今はどこで何をしているのでしょうか?
由衣は女子大生、製薬会社の研究者である兄の親友で写真雑誌「マタイデー」記者の大松を憎からず思っ
ているが、会えばケンカばかり。或る時、実験のミスで出来た新薬を飲んで由衣は透明人間になって
しまう。すったもんだの挙句、由衣は兄の会社の専務が絡む麻薬のスキャンダルを知り、大松ととも
に事件の真相を追うのだが・・・。
まあ、こんなラブコメ風ミステリに謎解きを云々するのも大人げないですが、冒頭の小事件が結末に
絡んでくる辺りは、素人にしては、その程度のことは考えているんだなあ、ぐらいは思いました。他に
は言及するようなレベルではないですね。探して読むような本ではないです。
0238名無しのオプ
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2012/06/17(日) 21:53:57.58ID:/1qQ6jK0
林葉はついこのあいだ将棋界に復帰したよ
もちろんもうプロじゃないし実力は見る影もなくなってたが
0239初代スレの>>3
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2012/06/25(月) 12:36:36.65ID:5lo7l5kR
別役実「淋しいおさかな」(PHP文庫)★★★★
1973年の、NHK幼児番組向けに書いた童話集。これは幼児向けにはもったいないほどレベルの高い
童話集で、しかも、発端の面白さと意表を突いたオチが見事な傑作。謎解き風の話もあり、特に序盤
の伏線と「発想の転換」的な結末に、本格ミステリのテイストに近いものがあります。幾つか紹介す
ると・・・。
「煙突のある電車」、乗客ゼロの市街電車。或る日、初めての乗客が乗って来たかと思ったら、この電車
で働かせてほしいという。そういう志願者が続出して・・・。なるほど、結末はこう来るかw
「機械のある街」街の中心に巨大な謎の機械が置かれている。何をする機械なのか誰も知らず、撤去する
ことになったのだが・・・。これぞ発想の転換というか、チェスタートンにも通じるナンセンスな結末が
冴える傑作。
「みんなスパイ」、謎の委員会から、スパイに任命したと手紙が届く・・・。ヒネりにヒネッたフーダニット
物かw
「工場のある街」、煙を出し続ける工場。何を作っているのか、工場で完成した物とは・・・。「機械のある
街」にも通じる逆転の発想が見事。
「穴のある街」、市民みんなで、ひたすら穴を掘り続ける街。七十年以上もかけて掘った穴が完成したと
き、最初に穴を掘ることを開始した市長の手紙が公開される・・・。これも素晴らしいオチ。
どれもこれも、本格ミステリのエッセンス、とまでは行かなくとも、発想のヒントになりそうな話が満載
の全22編、以前に紹介した「探偵物語」のような難解さは無いので、お勧めです。
0240名無しのオプ
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2012/06/30(土) 23:45:57.73ID:lLa4412N
age
0241初代スレの>>3
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2012/07/09(月) 12:47:10.17ID:v/KR3a6r
井口民樹「外科病棟の陰謀」(双葉文庫)★★☆
1984年の長編。
大学病院で出世街道を走る外科医・交野。恩師の教授の娘との結婚で、足がかりを掴むかに見えた
が、悪性の腫瘍により、外科医の命ともいうべき右腕を切断、悲観して飛び込み自殺を遂げる。だ
が彼の恋人と交野の後輩である榊原は殺人ではないかと疑念を抱き、独自に真相を追及する。やが
て、交野を脅迫していた男も殺され、事件は医大の後継者争いにも関わってくることに。果たして
真犯人は・・・。
トリッキーな趣向に乏しいため高い評価はできませんが、地味ながらもフーダニットに徹した作品。
真犯人を特定する伏線が一つしかないのも難点ですが、さり気ない描写がシブく決まっています。
レッドヘリングの扱いにも難がありますが、新本格登場前、同時期の森村誠一や斎藤栄あたりの駄
作に比べれば遥かにマシ。
0242初代スレの>>3
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2012/07/09(月) 12:49:12.02ID:v/KR3a6r
城島明彦「平家教団の陰謀」(光風社ノベルス)★☆
1986年の長編。
フリーのコピーライター蔵原圭子は、急激に拡大してきた新興宗「平家教団」の謎の女教祖の顔写真を
見て驚愕する。5年前の学生時代、若狭地方を一緒に旅行した時に行方不明になった親友・久江に瓜二
つだった。果たして本物なのか、久江はどういう事情で教祖になったのか、圭子と恋人の山口は教団に
近づくが、彼女らの身辺で連続殺人が勃発。教団幹部・平林の不審な行動の目的とは、そして教祖は本
当に久江なのか・・・。
本筋の殺人事件の顛末はお粗末で、論評すべき出来ではないです。むしろ、平家教団にまつわる、壇ノ
浦における平家滅亡と安徳天皇生存説の方がめっぽう面白くってw
既に知られている伝説の類の寄せ集めではあるし、出所不明のデッチ上げのような説も交じっています
が、読物としては、大変スリリングに、分かりやすく紹介されており、「成吉思汗の秘密」以来の面白さ。
まあ、これを「本格ミステリ」というかは疑問ですが、高木彬光の「・・・の秘密」シリーズふうの構成に
したら結構面白くなったのに・・・。
0243初代スレの>>3
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2012/07/19(木) 12:38:34.81ID:JAF8DpyM
笹浩平「黒の文化財」(芙蓉書房)(採点不能)
1976年の長編。全く知らない出版社の、全く知らない作家の作品ですが、さて。
塗料メーカーの敏腕研究員・坂口は奈良・秋篠寺の隣に住んでいたが、寺の境内で発生した殺人事件に
巻き込まれてゆく。被害者の若い女性の身元も、また死因についても全く不明で、未知の毒物が使われ
たらしい。やがて坂口は、自分が手がけた海上自衛隊の護衛艦「ゆきかぜ」の塗装に関わって、政財官の
癒着へと巻き込まれ、秋篠寺の殺人事件にも関わって行くことに・・・。
うーん、何なんだこの小説は。塗料・土木業界に詳しいヒトが、当時の塗装業界、文化財保護行政の在
り方に私憤を感じて告発しました、ということか?以前に読んだ北川健「S公団醜聞事件」(過去スレ参照)
に近いテイストか。それにしても、「文化財は最新の技術と安いコストの材料で建て替えることに意義が
ある」とか言って、東大寺大仏殿修復で、屋根瓦を大量生産の安い瓦に葺き替え、木材も安物でOK、最
新技術の東大寺を未来に残そう!とか、この作者、少しイッちゃってますね。
で、肝心の事件の真相と真犯人ですが、何だそりゃ、アホか、といったレベル。検出されない毒物の正
体がアレだというのには驚いたし、一番スゴいのは、オウム真理教事件を二十年近くも前に予言してい
ることでしたが、ミステリとしてはダメダメも良いところ。まあ、オウム事件の手口と動機を完全に言
い当てており、その点にだけは感心しましたけど。でもそれだけ。
0244初代スレの>>3
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2012/08/06(月) 12:47:54.61ID:uSu7WQPI
山崎洋子「横浜幻燈館−俥屋おりん事件帳」(集英社文庫)★★☆
頃は明治、横浜で家業の俥屋で車夫をしながらフェリス女学校に通う娘おりんと、混血の西洋料理シェフ
留伊の活躍を描く1992年の連作集。
第1話「らしゃめん」、外国人実業家の妾を人力車で送迎して殺人事件に遭遇。容疑者の妾は、おりんの俥に
乗っていたという鉄壁のアリバイがあるのだが・・・。トリックは大したものではないが、伏線にも配慮した
良作ですね。
第2話「薔薇の悲鳴」、女学校の演劇の最中の銃撃騒ぎ。銃声は一発だけだったはずなのに弾丸が二つ見つか
る・・・。凶器の隠し場所に工夫を凝らした作品。
第3話「狂女」は人力車を呼びとめては車夫を襲う幽霊の話。実は・・・。ちょっとした錯誤をメインにした
ものだが今一つ。
第4話「神の邪心」は、犯人の意外性を狙ったものだが、ミステリとしても、また最終回としても、どこか締
まっていなくて、或いは続編を考えていたのかも知れません。
0245初代スレの>>3
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2012/08/06(月) 12:50:21.43ID:uSu7WQPI
笹沢左保「真夜中に涙する太陽」(廣済堂文庫)★★★
1987年の長編。
作家である「私」こと笹沢左保は、後輩作家・大野木が病気から復活して再度人気を博している中、彼を
怨んでいる連中の陰謀に巻き込まれてゆく。別れた前妻、大野木に盗作を告発され自殺した男の兄・仙石、
スキャンダルを見つけようとする三流ジャーナリストの多田の三人は、大野木の破滅を狙っているらしい。
果たして、大野木は何者かに足を刺され重傷を負い、作家として再起不能の危機を迎える。だが次に殺さ
れたのは、大野木を狙っていたはずの仙石だった。「私」はお気に入りの女性編集者とともに事件を追及す
る。果たして一連の事件の真犯人は・・・。
作家本人が登場し、普段の作家活動を描写しつつフィクションの殺人事件の探偵役になるという、なかな
かユニークな作品ですが、さほどトリッキーなヒネりがある訳ではありません。本作品はやはり、真犯人
の意外性、というか、その動機の特異性にあるでしょうか。余り詳しくは書けませんが、笹沢作品だから
当然、動機は「愛の不毛」絡みだろう、と読者を誤誘導させるシブいテクニック。この動機はちょっと予想も
出来ませんでした。笹沢作品だから・・・、という先入観が邪魔をして、作家の作風をトリックにした、とは
言い過ぎですが、なかなかシブいところを突いてくる作品です。
0247名無しのオプ
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2012/08/11(土) 13:54:39.51ID:Gzr2U6AK
2時間ドラマ用量産作家たちの小説。
何も面白くない。
0248初代スレの>>3
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2012/08/27(月) 12:23:51.12ID:o4lzIBcZ
斎藤栄「日本鉄仮面殺人事件」(徳間文庫)★★★
1982年のノンシリーズ?長編。
横浜の地元誌編集部に勤める長谷川の妻が大量の血痕を遺して行方不明に。更に彫刻家の父親も謎の失踪
を遂げ、娘もまた何者かに誘拐される・・・。警察に犯人と目されて逃走した長谷川は、自ら事件の真相を追
及するうち、父親の知り合いの男が浮上、その邸宅に忍び込んだ長谷川が見たものは、鉄仮面を被せられ
た男だった・・・。
序盤から剃毛プレイとは・・・、相変わらず狂っていて安心したw
それはともかく、強引な茶番劇なのに、スイスイと読めてしまうは良いのですが、果たして真相は・・・。なる
ほど、そういうことでしたか。この真相には一寸驚きました。いわゆる「何が起きているのか、何が事件
なのか」という趣向かと思うのですが、現代の作家ほど洗練されてもいなければ、常識的にヘンな言動も
あったりして突っ込みどころは満載。とはいえ、不覚にも結末には驚かされました。よって★3つと、そ
れなりの評価にしておきます。稀にこういう作品があるから斎藤栄は侮れないなw
0249初代スレの>>3
垢版 |
2012/08/27(月) 12:25:13.85ID:o4lzIBcZ
藤雪夫・藤桂子「黒水仙」(創元推理文庫)★★☆
1985年の菊池警部シリーズ第2作、藤雪夫の旧作「渦潮」の改定作業中の急逝により、娘の桂子が完成
させた作品。
宮城県の地方都市・白山市の地方銀行で起きた支店長殺害・現金強奪事件。事件はやがて、東京で起き
た守衛の密室殺人事件と深いかかわりを持ってくることに。菊池警部ら東京・宮城の刑事らが辿り着い
た真相とは・・・。
うーん、密室トリックが二つとも期待外れも良いところ。機械的トリックなど読者に推理不可能なメカ
だし、初動捜査で全くその疑問にも思われなかったのも、説明はあるけど納得できない。二つの事件を
巡る真犯人の異様な動機も一寸・・・。辻褄は合っており、登場人物の心理も丁寧に追っているが、およそ
謎解きとして納得できる展開にはなっていない。主人公の菊池警部のキャラにもイライラさせられるな
あ。凡作でしょう。
0250初代スレの>>3
垢版 |
2012/08/27(月) 12:27:48.39ID:o4lzIBcZ
斎藤栄「<悪の華>殺人事件」(徳間文庫)(採点不能)
表題作の短めの長編および4短編からなる1984年の作品集。
表題作、これがスゴい。解説の権田萬治が「異色作中の異色作」、「真犯人の意外性も強烈」と書いているので
オッカナビックリ読んでみましたが・・・。アハハ。序盤から、初夜まで我慢できなくなった新婚旅行夫婦が新
幹線車内でヤラカすなど、C級も良いところ。本筋は、子供を誘拐・殺害された母親の、犯人家族への復讐、
といったストーリーで進んでゆくのですが、探偵役のカップルもヘンタイで、喫茶店でコトに及んだりと、
こりゃどうなることやら・・・、と思っていたら、復讐に燃える母親を操る真犯人の正体にはビックリ仰天。な
るほど、事件への関わりを考えたら、ソイツが犯人であることは納得できるし、ちゃんと伏線も張ってあっ
た。でもなあ・・・。アンフェアというか何というか・・・。C調変態趣味で本格ミステリに挑んだ、ということ
か?これは確かにスゴい作品。
その他の収録作は、「狂気の壺」がSF風ミステリでちょっと面白いが、「二十秒の盲点」、「優しい脅迫」は凡作、
巻末の「青い蜜」は子供の視点で書いたミステリだが、仁木悦子には遠く及ばない俗悪なもの。そういう趣向
が好きな方にはお勧めですが・・・。とにかく表題作が全て。作者の武勇伝にまた一つ汚点が加わったなw
0251初代スレの>>3
垢版 |
2012/08/30(木) 12:29:35.45ID:U5PhthHC
桐生操「血ぬられた法王一族」(福武文庫)★★☆
「本当は恐ろしい・・・」や「やんごとなき姫君の・・・」シリーズなどで知られているコンビ作家の、メジャー
になる前、1986年のごく初期の歴史ミステリ長編。
15世紀末のイタリア。ボルジア家の当主がローマ法王アレッサンドロ六世になり栄華を極めていた時代、
次男のホアンが何者かに拉致され惨殺される。この事件を切っ掛けに、長男チェーザレが妹のルクレツィ
アも使って全イタリアの覇権を目指そうと台頭してくる。実はチェーザレ自身が弟殺しの犯人ではない
のか?事件の真相を究明し、ボルジア家の野望に待ったをかけようと目論むのは、フィレンツェの敏腕
外交官マキアベッリ。彼は天才レオナルド・ダ・ヴィンチの助けも借りて事件を追うのだが・・・。
前編「ボルジア一族の野望」、後編「探偵ダ・ヴィンチ」の二部構成。前半でチェーザレがイタリア制覇に
乗り出すまでを描き、後半で、マキアベッリとダ・ヴィンチによる一連の事件の黒幕・真犯人探しが描
かれるのですが、マキアベッリがワトソン役でダ・ヴィンチが名探偵、という割り振りが余り上手く行っ
ておらず、真相究明に迫力が欠けてしまったのは残念。最後に意外な真犯人の正体が明かされるのです
が、伏線が不十分で、真犯人の言動の「裏」について、事前にもっと踏み込んで描写してもらいたかった
です。
題材や登場人物のユニークさもあって非常に楽しく読むことができましたが、ミステリとしての評価は
また別でしょう。マキアベッリとダ・ヴィンチが、それぞれ探偵役になる海外ミステリ2作は素晴らし
かったのですがねえ・・・。
0252初代スレの>>3
垢版 |
2012/09/03(月) 12:38:58.55ID:opQWjcXc
清水一行「百億円投機」(集英社文庫)★★
1971〜1986年の作品を収めた短編集。一編だけ「犯人当ての本格推理」があるとのことで読んでみま
したが・・・。
その作品「一度の賭け」、会社の絵画サークルの旅行中、幹事夫婦の乗ったヨットが転覆して夫が死
亡。しかし妻は、夫が溺死する前に毒物を飲まされていたのでは?と疑うのだが・・・。確かに、オーソ
ドックスな犯人当て物のミステリですが、毒物の種類がユニークながらも、入手方法などの詳細が
お粗末だし、結末のヒネりも在り来たり。全体に出来が粗くて残念。
むしろ、サラ金会社の重役の娘が誘拐され、身代金支払いに応じた父親だったが実は・・・、という誘拐
物ミステリ「誘拐自由」の方が、二転三転のヒネりが楽しい佳作です。
あと「影の男」は、見知らぬ女性に近づき大金を提供しようと申し出る男、その狙いは・・・。こちらは
ヒネり方が現代のミステリに比べて弱いなあ。
その他は経済・企業小説で、表題作は邦銀ニューヨーク支店の為替ディーラーのお話、当時起きた
大和銀行のスキャンダルがモデルですが、ミステリ味は無し。
「炎の墓標」、デパートのオーナー社長の堕ちた罠。松本清張風の力作だが、これもミステリ味は
薄い。
「巨きな亡霊」、新社長の改革で追放されようとする会長。地位に執着する余り、誇大妄想が広がっ
て・・・、完全な企業小説なのに、何故か最後はホラーで終わるユニークな作品。
0253名無しのオプ
垢版 |
2012/09/03(月) 21:36:47.86ID:qMr2qxyK
いつもありがとうございます

清水一行ってミステリ的観点で言うと
やっぱり協会賞取った動脈列島の一発屋さんなんかなあ
社会派の時代だからミステリに色気出して
たまたま当てたみたいな
0255名無しのオプ
垢版 |
2012/09/15(土) 23:49:58.23ID:t6f7sVzU
0257名無しのオプ
垢版 |
2012/10/08(月) 10:49:34.05ID:e5BVUD/T
he
0258名無しのオプ
垢版 |
2012/10/14(日) 17:53:02.59ID:hTgNe5vi
>>249
シビアな評価ですね。
「黒水仙」、トリック(おやじさんのパート?)は確かに駄目だけど、動機部分
は印象的でした。娘さんの伸びしろは、こちらにある感じで。
0259初代スレの>>3
垢版 |
2012/10/15(月) 12:50:16.90ID:q5LqIWgv
広山義慶「平家物語殺人事件」(祥伝社ノンポシェット)★
1984年の長編。
新聞記者の諏訪は、学生時代の友人で、恋人を奪っていった市島と再会する。「平家物語」に登場する
僧・俊寛に関する歴史を覆す大発見をしたので、情報を買ってくれと頼まれる。諏訪は断るが、数日
後、市島はホテルで殺されているのが発見される。一方、諏訪の見合い相手が謎の奇病にかかり、俊
寛の怨霊に祟られているかのような発作を起こして危篤に・・・。また市島の情報を巡って暗躍する謎
の勢力。諏訪は、元恋人の美也子とともに市島の発見したものと彼を殺した真犯人を追及するのだが・・・。
・・・バケモノが平気で登場するようじゃ話にならんw
それでも、市島殺しの真相はオカルト絡みとみせかけて、ちゃんと人間の意外な真犯人がいたので、
まあ良しとしましょうか。でも意外性はあるけど、およそ謎解きになっていない。しょーもない伝奇
小説に殺人事件の常識的な解決を付けくわえただけ、といった方が正しいか。読む価値なし。
0260初代スレの>>3
垢版 |
2012/10/15(月) 12:52:24.28ID:q5LqIWgv
西村京太郎「真夜中の構図」(角川文庫)★★
1979年の長編。
代議士の太田垣は、大臣就任を前に、5人の愛人を整理するよう秘書の早川に命じる。早川は500万円で手を
切るよう愛人を説得して回るが、誰一人応じようとしない。ところが、彼が会った愛人が次から次へと殺さ
れてゆく。容疑者と目された早川は真犯人とその動機を追及するのだが、遂に逮捕されてしまう。彼の言い
分を信じた十津川警部は、早川を罠にはめた真犯人を追及するのだが・・・。
西村作品では珍しい、官能シーン満載の作品。20ページに一回は出てくるぐらいか。一箇所だけ真相に絡
む叙述上の大胆な描写が登場するが、ミエミエで失敗ぎみ、効果が上がっておらず、残りの官能シーンは謎
解きとは関係なし、発表先がどこか知らないが、そこの要請だったのかな?
真犯人と動機の意外性を狙ったのだろうが、或る人物の登場が遅すぎる。もうちょっと早めに登場させ、更
に伏線などを考慮してくれれば一定の出来栄えになっただろうが、これではダメ。
0261初代スレの>>3
垢版 |
2012/10/15(月) 12:58:48.73ID:q5LqIWgv
山本周五郎「赤ひげ診療譚」(新潮文庫)★★★☆
江戸時代の療養所、「小石川養生所」の熱血医師「赤ひげ」と、見習い医師の保本登を主人公にした1959年の
時代物連作集。黒沢明の名画でお馴染みの作者の代表作の一つ。ミステリ風の話もあるかと思って読んで
みましたが、さて。
最初の第1話が、或るトリックを使ったミステリ短編で驚き、期待させたのですが、以降の作品はミステ
リ味は薄くなってゆくか全く無しで残念。しかし、普通の小説としても十分面白かったですね(★3つ半
の評価はミステリとしての評価ではないのでご容赦)。

新田次郎「つぶやき岩の秘密」(新潮文庫)★★★☆
1972年の少年冒険小説、NHK少年ドラマシリーズでも映像化された屈指の名作とのこと。・・・最近、
新田次郎の復刊が相次いでいるなあ、と思ったら、今年は生誕100年だったのですね。
・・・これは文句なしの傑作でしょう。ジュブナイルのミステリとしても十分な出来栄え。大人へと向
かう少年の心理を実に細やかに描いた骨太の作品。殺人、謎めいた要塞跡、暗号解読などの趣向も
バッチリ。まあ「本格の謎解き」とは言えないけど、久々に昭和の熱血少年小説に出会えて嬉しかっ
たのでw
0262名無しのオプ
垢版 |
2012/10/15(月) 13:51:47.73ID:Q9S0V7E3
>>261
「つぶやき岩の秘密」なつかしいですね
自分は小学生の時NHK少年ドラマシリーズ版をリアルタイムで見てました
石川セリ(井上陽水夫人)の歌うEDがヒットして当時話題になりましたね
0263初代スレの>>3
垢版 |
2012/11/05(月) 12:43:49.76ID:z+n4bKWc
佐野洋「奇しくも同じ日に・・・・・・」(講談社文庫)★★★
1962〜1984年に発表された作品の短編集。
表題作◎、新聞記者を辞めて地元のタウン誌編集長になった「私」。地元の野球強豪校の甲子園出場時の
メンバーが二年続けて同じ日に変死する。部下の記者が疑念に思って調査すると・・・。短いページで、
思い切り意外な真犯人の趣向を活かしています。描き方もフェアな佳作。
「屋根の上の犬」○、向かいのマンションのベランダに放置された犬。そこに住む人間が殺されるが実
は・・・。なかなかユニークなアリバイ工作もの。
「切り抜きの意味」○、恋人からの贈り物を包んでいた古新聞の切り抜かれた紙面が気になり、何の記事
を切り抜いたのか調べた女性。実は・・・。或る有名な趣向なのですが、短い枚数ながらもキッチリと描
かれており、読者の予想を上回るドンデン返しが冴える佳作。
上記3編は秀逸でお勧めですが、残りの6編は、意外性はあるけどミステリの謎解きとしては凡作。
0264初代スレの>>3
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2012/11/05(月) 12:46:20.13ID:z+n4bKWc
山崎純「死は甘くほろ苦く・・・・・・」(東京創元社)★★
1988年の「鮎川哲也と13の椅子」シリーズの一編、このシリーズなら「新本格(以降)」の括りとは思います
が、一応紹介しておきます。
雑誌のフリー編集者である「私」ことマリ子。フランス人の有名なチョコレート職人の勲章受章パーティ
に取材に行ったところ、チョコレートを食べた料理学校長が毒殺される事件に遭遇。被害者の妻、学校
の副校長、仲の悪い料理評論家などなど容疑者多数のなか、マリ子は雑誌編集長とともに真相を探るの
だが・・・。
・・・、何と言うか、文体そのものが酷い。1980年代後半、バブル真っ盛りとはいえ、この文章は無いだろ。
作者はポン女を卒業してソルボンヌに留学経験があるというのに、その知性を微塵も感じさせない軽薄
きわまる文章。「イヤ〜ン」、「ファ〜イ」、「ショーガナイナ〜」、「センセ、大スキ!」、「あ〜カンチガイ」・・・。
この破壊力は梶龍雄に匹敵するな・・・。
肝心のプロットとトリックはまあまあだし、些細な伏線なども上手いので、「本格」としてそれなりの評価が
出来るはずなのに、文章で全てブチ壊し・・・。
解説の鮎川まで「キャピキャピギャル」って・・・。そこまで軽薄な時代だったとも思えないのですが・・・。未だ
有栖川有栖もデビュー前で、東京創元社も、折原一とともに売り出したかったようですが、この文体はなあ・・・。
0265初代スレの>>3
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2012/11/05(月) 12:48:38.28ID:z+n4bKWc
山村正夫「陸奥こけし殺人事件」(講談社ノベルス)★★☆
「振飛車殺人事件」でも活躍する女流棋士・小柳カオリを主人公としたシリーズ物の長編で、1982年発表、
講談社ノベルス最初期のラインナップの一冊。
岩手・花巻温泉で起きた興信所の所長殺し。被害者は、十年前に山形県鶴岡のコケシ工房で起きた殺人事件
で無実を訴えながらも有罪となり服役、出所後に行方をくらました男を追っていた。その男の母親とひょん
なことから知り合い、息子は冤罪だと訴えられたカオルは、警視庁の刑事である夫の協力も得て一連の事件
を追及する。やがて十年前の事件の関係者の一人が容疑者として浮かんでくるが、その人物には鉄壁のアリ
バイがあった・・・。
何というか、メリハリがないというかストーリーが停滞しているというか、ちょっと退屈な展開でした。肝心
のメイントリックも、中盤辺りで見当がついてしまい、事件の構図の全てがバレやすくなってしまっており
残念。それに、このシリーズのヒロイン・カオリ自体に魅力が無いのが致命的。被害者が残したダイイング
メッセージが将棋に因むネタで、ヒロインがそれに気付くシーンなど、良い場面もあったのですが・・・。
0266初代スレの>>3
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2012/11/15(木) 12:27:40.82ID:AgHpfALU
藤村正太「大三元殺人事件」(廣済堂ブルーブックス)★★★
1976年の長編。この本は作者の死後、1979年にノベルス版で出たもの。
公害防止機器メーカーに勤める梓は自他共に認めるマージャンかぶれの不良社員。だが常務からその勝負強さを
見込まれて、工場の廃液汚染で問題となっている静岡県N市の営業所に異動され、自社の汚染防止装置の売り込み
に躍起となる。マージャンを通じて知り合った監督官庁の役人から、賭け金のカタに、工場廃液の情報を取ろう
と画策するが、その役人が行方不明に。やがて発見された水死体。溺死させられた後、更に濃硫酸で顔を焼かれ
ていたものの行方不明の役人と判明、梓は廃液の情報に絡む或る会社の幹部を疑い、その弱みに付け込んで、自社
売り込みに利用しようとするのだが、その男には鉄壁のアリバイがあった・・・。
どうせ、マージャン命の昭和スチャラカ社員の好い加減な話だろうとタカを括っていたら、けっこう骨太な作品で、
主人公も意外と魅力的でした。メイントリックが弱いのが難点で、真犯人の意外性もあるが、その伏線が足りない
欠点もあり、決して佳作とは言えません。でも、死体に硫酸をかけた真相や、死体のポケットにあったマージャン
牌の件など、小味なサブトリックは先ず先ず評価できます。これは「コンピューター殺人事件」(過去スレ参照)にも
共通する特徴ですね。
あと、各章の間に「断章」として、黒幕らしき者が描かれ、最後の最後に真犯人を操る黒幕の正体が明らかになるので
すが、これは余り効果をあげておらず不発ぎみ。
なおマージャンのルールは全く知らないので、そのシーンは、謎解きには関係しませんように、と斜め読みしましたが、
殆ど影響はなかったw
「コンピューター・・・」と同様、やや甘い評価ですが★3つといったところでしょうか。
0267初代スレの>>3
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2012/11/15(木) 12:29:32.12ID:AgHpfALU
笹沢左保「地獄の辰・無残捕物控〜首なし地蔵は語らず」(光文社文庫)★★
1972年の捕物帳シリーズ、主人公・辰造は暗い過去を背負うニヒルな岡っ引き、庶民に嫌われながらも、
長十手で容赦なく江戸の犯罪を暴いてゆく・・・。
表題作は、商家で起きた殺人。客と主人を間違えた人違い殺人かと思われたが実は・・・。単純なアリバイ
工作ですが、ラストのヒネりが上手い。
「夜鷹が水を欲しがった」は、商家の連続殺人。ダイイングメッセージ物だが出来は良くない。
「縁切寺で女は死んだ」は、ちょっとした言葉の齟齬から意外な真相を暴く良作。
以上3編は、謎解き物としてそれなりの水準を保っているのだが、以降の「水茶屋の闇を突く」、「半鐘が
赤い雪に鳴る」、「瓦版に娘が欠けた」、「賽は知っていた」の4編は、辰造の過去の或る事件に絡む話に
移行して、謎解き趣向から離れてしまっており残念でした。
0268初代スレの>>3
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2012/11/26(月) 12:37:02.43ID:4X+QKkwc
阿井渉介「京都原宿ハウスマヌカン殺人事件」(講談社ノベルス)(採点不能)
1987年のノンシリーズ長編。この素晴らしいタイトルw、「京都」、「原宿」、「ハウスマヌカン」と来て、作者は
阿井渉介とくれば、もうダメ押し。当時ヒットした「夜霧のハウスマヌカン」という一発屋イロモノ歌謡曲
に便乗したのか、三流ダメミス・クズミスの匂いがプンプンしてきて、迷わず購入。もはや性癖だなw
原宿のブティックで働くハウスマヌカンの「わたし」こと小泉祥子。専属モデルやスタイリスト、カメラマン
らと京都へ撮影旅行に出かけたが、独りで寺詣りに行ったところ、謎の男につけ回される。実はその男は
ブティックオーナーの時田好子が男装していたもので、彼女はやがて他殺体となって発見される。現場付
近にいてアリバイのない祥子は京都府警のボンクラ刑事・牛尾から疑われ、自らの潔白を明かすべく、犯人
探しに乗り出すのだが、親友も殺され、窮地に陥る・・・。
文体が少々ヘンでして、主人公の「わたし、・・・・なんです」といった独白体、宇能鴻一郎を少々上品にした
ような感じといったら良いか・・・、辟易しました。
電話のアリバイ工作やら、マンション階段での人間消失トリック、ヒロインのクルマのトランクに死体を
隠したトリックなどなど、トリッキーな趣向もあるのですが、いずれもショボい真相で脱力。但し、その
伏線はキッチリと張られており、「そうか、あの人物のあの言動はそういう意味だったのか」と感心する
ところは一応ありました。
あと牛尾刑事のキャラも類型を破るもので、後年の「警視庁捜査一課事件簿」シリーズの菱谷刑事とは逆の
「陽性な不良刑事」でユニークではありますが、やはり2時間ドラマ臭さが抜けなくて・・・。
なお本書は講談社ノベルス1987年3月刊、あの「十角館・・・」の半年前、日本のミステリ界はここまで混迷を
極めていたのか・・・wまあ、「夜明け前が一番暗い」とも言いますからw
0269初代スレの>>3
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2012/11/26(月) 12:38:50.28ID:4X+QKkwc
赤川次郎「盗みは人のためならず」(徳間文庫)★★☆
1980年、大泥棒の夫・淳一と、その妻で警視庁刑事の真弓のコンビが主人公のシリーズ連作集の第1作目。
淳一が盗み目的で行動を起こすと、別の事件に遭遇して、その事件を解決する、というパターンです。
第1話「ヴィーナスの腰布」○、二つの事件の絡み具合が上手い。第2話「名画から出て来た女」◎、田舎の駅
で発見された有名画家の幻の作品。そのモデルにそっくりな少女が何者かに襲われて・・・。真犯人に意外性あ
り、伏線も先ず先ず。第3話「C線上のアリア」○、有名なオペラ歌手の警護を依頼された真弓と後輩刑事。
喉を痛めた歌手の代理でやって来た正体不明の男の狙いは・・・。犯人はバレバレですが、歌手の代理の男の謎を
交えてひとヒネりしており、ドンデン返しが冴えています。
ここまでは良かったのですが、第4話以降は、ドンデン返しの連続、被害者が実は加害者とか、善玉悪玉を
ひっくり返す趣向などもあるものの、伏線も無しに強引に話を引っ繰り返す話が多く、高い評価は出来ません
でした。
0270初代スレの>>3
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2012/11/26(月) 12:41:23.78ID:4X+QKkwc
川上宗薫「寝室探偵(ベッド・ディテクティブ)」(光文社カッパノベルス)(採点不能)
1980年の長編。むろん作者も「ベッド・ディテクティブ」の本来の意味を承知しており、巻頭にわざわざ
解説まで入れて「本書のような間違った使い方は探偵小説を貶めるものだ」という主旨で、茶化してくれ
ています。
官能作家・毛利はフランス・パリで知り合った娼婦が殺された事件に引き続き、帰国早々、同じくパリで
知り合い、一足先に帰国していた女性カメラマンも変死したことを知る。更に自分を狙っている連中の存在
に気付き、自宅に帰らず、秘かにホテルを転々とする生活。だが毛利には、セックスすると頭が冴え渡り
推理能力が発揮されるという特異な癖があることから、あちこちの女性を取っ替え引っ替えナンパしてヤリ
放題で、自分を追っている連中の正体とその目的を推理する。パリの娼婦と女性カメラマン、そして自分が
関わっており、敵が狙っている秘密とは一体何なのか・・・。
・・・・。バカです。これはバカそのものです。まあ「確信犯」的にベッド・ディテクティブなどと称していること
から「冗談」で済ませれば良いのですが、せめて謎解きのレベルは上げてもらいたかった。結末に至っての真相
は脱力の一言。確かに、或る小道具や、真犯人の動機に関する伏線などもありましたが、余りに程度が低い。
以前に読んだ「夏が殺した」くらいにはトリッキーな趣向を取り入れて欲しかった・・・。
官能シーンも、今読むとすっかり古びてしまっており、「構造」とか「名器」などの用語で一世を風靡したのも今は昔、
他の登場人物も、一体いつ仕事をしているのか分からないノンビリした昭和元禄なスーダラ揃い、まあ割り切った
上で、クズミスとして楽しめば宜しいかと・・・。
0271名無しのオプ
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2012/11/30(金) 17:49:34.39ID:czxWTDIy
>>268
阿井渉介ってダメミス代名詞扱いなのかw
「鉄道公安官」の脚本家だけあって、国鉄改革前後を扱ったシリーズは堂に入ってると思ってるんだが
0272名無しのオプ
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2012/12/01(土) 01:54:19.99ID:Gwotutlp
あげ
0273初代スレの>>3
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2012/12/12(水) 12:53:38.37ID:jAdWRxOa
島田一男「0番線」(徳間文庫)★★
1962年、鉄道公安官・海堂次郎を主人公とするシリーズ長編。
東京駅に落ちていた寝台券。裏には「助けて・・・殺される」の走り書きが。直後に東京駅近くで起きた
女性の変死事件。更には遠く富山県でも女性の轢死体が。被害者はいずれもチャイナドレスを着て
いたという共通点が。海堂は寝台券の受取人から、元陸軍将校とその娘に行き当たる。元将校は何人
もの愛人を囲っており、一連の変死事件の被害者はその愛人たちであったことが判明。更に愛人たち
を巡って第三、第四の殺人事件が勃発する・・・。
序盤、チャイナドレスを着た複数の女性たちが列車で複雑な動きを見せる辺り、トリッキーなアリバ
イ工作か何かの趣向か、と期待を持たせたのですが、やがて凡庸な真相であることが分かりガッカリ。
トリックも謎解きも中途半端だし真相も在り来たり、動機もなっていない。将校の娘のジャジャ馬ぶ
りだけが面白く読めるお話。
0274初代スレの>>3
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2012/12/12(水) 12:56:48.07ID:jAdWRxOa
谷恒生「ホーン岬」(集英社文庫)★★☆
1977年のごく初期の冒険小説。
南米航路の貨物船・木星丸。一等航海士が謎の失踪を遂げ、日本から交代要員として招かれた陣内は、
木星丸の寄港地・パナマで日本人商社マンの殺害に巻き込まれ、地元警察の追及を振り払って木星丸
に乗船するも、事務長・山形の謎めいた行動に疑念を抱く。木星丸が秘かに積みだした荷物の中身は
何なのか、その謎を巡って、米CIAやナチス残党、反政府ゲリラなどが暗躍する。陣内が掴んだ真
相は、そして木星丸の運命は・・・。
冒険小説ではありますが、生島治郎などの先例もあるものの、まだ「冒険小説の時代」を迎える以前だ
ったためか、この作者の冒険小説には、まだ謎解きミステリから分かれずに、謎解きの趣向にウエイト
をかけた作品も多いのですが、本作は、謎解きが中途半端に終わってしまった感じ。謎の構成とその
解明が非常に粗っぽく、せっかく意外性のある真相が用意されていて、解明の手順次第では謎解きミス
テリにも成りえたと思うのに、少々残念な出来。むろん冒険小説としては佳作ですが。
0275初代スレの>>3
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2012/12/12(水) 12:58:41.37ID:jAdWRxOa
斎藤栄「箱根高原殺人事件」(講談社文庫)★☆
1981年のノンシリーズ長編。
亜妃子は婚約者の大伴とともに箱根のペンションに旅行に出かけるが、大伴は一人で外出したまま行方不明と
なり、他殺死体となって発見される。所持品のうち唯一、大伴が付けていた腕時計だけが盗まれるという不可
解な状況。亜妃子は、現場で見かけた謎の女性を突きとめ、追及したところ、思いもよらなかった大伴の別の
素顔が明らかになる。彼は亜妃子と婚約する前、何人もの女性と付き合い、自殺に追い込んだりしたのだとい
う。更に亜妃子にその事実を告げた女性もまた殺される。亜妃子は大伴殺しを追っていた新聞記者とともに事
件の真相を追及するのだが・・・。
うーん、辻褄合わせも好い加減にしろよ、と言いたくなる出来栄えですね。ラストの謎解き場面が非常にバタ
バタしており、しかも、当時最先端だったカシオのメロディアラーム付き液晶腕時計に秘められた謎、って・・・、
たったそれだけの真相かよ。真犯人の意外性は相当なものですが、アリバイの件もお粗末なら、動機の後出し
も良いところ。どこか突き抜けたハジケ方にも欠けており、ごく真面目なストーリーであるが故に全く面白く
ないという、どうしようもない作品。
0276初代スレの>>3
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2012/12/26(水) 12:39:26.46ID:KuihZYfr
津村秀介「小樽発15時23分の死者」(講談社文庫)★★
1990年の浦上伸介シリーズ長編。
小樽在住のアマチュア女流画家が、初の個展で買い手のついた作品を売るために札幌に滞在中、ホテルで
殺される。被害者とその夫は莫大な財産を所有していたが、実は他人の財産を騙し取ったという後ろ暗い
過去が。ほどなく絵の買い手で被害者に財産を巻きあげられた男が容疑者として浮かび上がる。北海道旅行
中のアリバイは簡単に崩されたが、肝心の凶器は、犯行以前に宅配便で東京に送られており、現場には無
かったという不可解な状況が浮かび上がってくる・・・。
作中に何度か言及のあるように、クロフツ「樽」や鮎川「黒いトランク」を意識した作品で(そのためか、小樽
とか横浜の樽町など、「樽」に因んだ地名がでてくる)、トランクによる「凶器の移動」が謎解きの要なのです
が・・・、ええと、初心者でなく普通にミステリを愛読する人なら、誰でも先ず最初に「トランクは・・・・・・だった」
と考えますよ、そして真相はその通りでした、と言うんじゃあ・・・。
それでも最後まで「ではトランクをどうやって・・・・・なのか」という謎は残るので、まあ良しとしましょうか、でも
その真相すらもアレではねえ・・・。一点だけ、「トランクの鍵」の小細工がラストで一寸した働きをするのは感心
しましたが。
初心者または二時間ドラマ向けとしか言いようが無いですね。あと、タイトルも意味不明。小樽駅発15時23分
の列車なんて作品中に出てこないし、そもそも掲載されている時刻表にも存在しないような・・・。
0277初代スレの>>3
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2012/12/26(水) 12:41:53.68ID:KuihZYfr
笹沢左保「悪魔岬」(光文社文庫)★★★☆
1977年、まだ岬シリーズは第一作の「他人岬」しかなく、「悪魔」シリーズも無かった頃に中絶した作品を、後年の
1985年に復活させ、「岬」「悪魔」両シリーズに跨る題名で発表した長編。
松平の婚約者・美紗は妻子ある男・三条と不倫の末、心中未遂、死体遺棄事件を起こし、松平は婚約解消、そし
て一年後、美紗は失踪し、十和田湖で水死体となって発見される。不倫相手の後追い自殺を図ったのか、だが
美紗の所持品が沖縄で起きた殺人事件の現場で見つかるなど、不可解な出来事が相次いで起こっていた。松平は
三条の未亡人・八千代とともに事件を追及するのだが・・・。
「悪魔」シリーズに書き換えたこともあって、官能シーンも濃厚。結末の「ドンデン返し」に期待したのですが、
なるほど、これはかなりの驚き。序盤の肝心の部分の描写はハッキリ言ってアンフェアだが、その真相を知る
人物のセリフはウソを言っていない。地の文はアンフェアだが、真相を知る人物のセリフはフェアというのは、
ちょっと珍しいかも。
但し、もう一つの事件との絡め方が、どうもアッサリ過ぎて、唐突な感じが否めないです。なお伏線については
可も無く不可も無く、といった出来栄えでしょうか。
傑作とは言い難いが、一読の価値はあるでしょう。
0278名無しのオプ
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2012/12/30(日) 12:56:24.38ID:lvsGrFwz
>>277
「他人岬」じゃなくて「他殺岬」だと思ったけど。
0279初代スレの>>3
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2013/01/04(金) 12:41:15.47ID:mz4VY4R1
>>278
ご指摘のとおり、「他殺岬」が正しいです。お恥ずかしい・・・。

・・・では2013年の第1弾。

曽野綾子「塗りこめた声」(桃源社)★★★
1961年の長編。かの乱歩が「宝石」誌刷新のために一般作家にミステリ執筆を呼び掛けた際、この作者も短編などを
書いたそうで、本書もその影響でしょうか。なお本書は1977年の再刊版。この作者といえば、何と言っても日本
ホラー史上、一、二を争う名作「長い暗い冬」。同作収録の短編集「華やかな手」の他、「消えない航跡」、「夢を売る
商人」などにも「奇妙な味」っぽいミステリ短編はあるけど、このスレで紹介するには難があったところ、ようや
く、フーダニットの基本を踏まえた、「本格ミステリ」の長編作品を紹介することができました(但し出来栄えは、
以下のとおりですが・・・)。
公共放送CBAの地方支局から東京の本局に帰って来た北上。栄転早々、世話になって来た先輩の興津が、スタジ
オで殺される事件が勃発。現場は施錠された完全な密室だった。その謎も解けぬうちに相次いで関係者を巡って殺
人が起こる。CBAの元理事の蓮沼が、そして競馬で一発当てた局員の神部が、そして蓮沼の愛人・敬子も・・・。
連続殺人の真犯人は誰なのか、北上はひょんなことから知り合った早苗とともに事件を追うのだが・・・。
各章には、クイーン、カー、ヴァン・ダイン、ベントリー、C・ブランド、果ては清張や星新一などの作品からの
引用文がエピグラフとして出てきて、何か、作者のやる気が伝わってきそうで、非常に魅力的だったのですが・・・。
うーん、「フーダニットと密室トリック」が出てくるので、出来るだけ高い評価にしたかったけど、肝心の密室トリッ
クがアレではねえ・・・。施錠に関する、或る人物の或る「錯誤」の伏線は上手いのですが、トリック自体はヒドいもの。
また真犯人の意外性についても、最後の事件が非常にジャマで余計なもので、それなりに意外性はあったのに最後
で台無し、「何てことをしてくれたんだっ!」と言いたいです。その他、競馬ネタでのレッドヘリングなども余り効果
は上がらず、一応、「本格ミステリ」の基本は踏まえているものの、決して高い評価は出来ず残念。
0280初代スレの>>3
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2013/01/11(金) 12:35:29.28ID:M16Yx0sS
高場詩朗「神戸須磨殺人事件」(天山ノベルス)★★★
「神戸舞子浜殺人事件」(過去スレ参照)でデビューした作者の長編第2弾、1990年の作品。
校長と対立して高校教師をクビになり、恋人とも別れてトラック運転手をしている「私」の元に、元恋人が訪ねて
くる。結婚した夫が市会議員殺しの容疑で逮捕されたが、夫のアリバイを証明する東南アジア留学生を探して
ほしいと言う。だが現場は、議員と一緒にいたとされる容疑者以外には、誰も出入りすることは不可能な状況
にあった。「私」は元恋人への未練を断ち切れないまま、報いの無い人探しを引き受ける。だが、真相に近づいた
かと思うと、疑わしい人物は次々と殺されてゆく。一体真犯人は誰なのか・・・。
前作の「あとがき」に出てくる、作者自身の情けない生活ぶりを彷彿とさせる「自己憐憫に酔った似非ハードボイル
ド風の主人公」の情けなさにイライラしましたが、そこは我慢。密室トリックは早々に暴かれてしまい、犯人
探しに移行するのですが、謎の構成にやや難があるものの、伏線なども考慮されていて、ラスト、関係者を
集めての「私」の謎解きも、まあ満足できるものでした。ただ、真犯人があんな厄介なトリックを弄する必要も
なく、もっと別の方法があったのでは?とも思いました。あと、前作でもそうでしたが、警察が余りにボン
クラ過ぎて・・・。こんなマヌケな警察なんかいないよw
0281初代スレの>>3
垢版 |
2013/01/11(金) 12:37:34.73ID:M16Yx0sS
南原幹雄「新選組探偵方」(福武文庫)★★
1988年発表、幕末の京都に活躍した新選組を巡る数々の事件の裏の真相を、隊士の沖田総司が、隊の監察を
務める島田魁をワトソン役にして解決する趣向の連作集。
第1話「総司が見た」は芹沢鴨暗殺事件の裏の真相。近藤・土方らによる粛清ではないとしたら真犯人は一体・・・。
まあスタートとしてはこんなものでしょうか。
第2話「残菊一刀流」は山南敬助切腹の真相。まあまあか。
第3話「風雲六角獄」は捕縛された尊王志士たちを惨殺した真犯人は?別に起きた毒薬騒ぎとの絡め方に工夫
が見られる良作。
第4話「祇園石段下の暗殺」は名だたる剣士であった谷三十郎変死の真相。一種の凶器トリックだが、後出しも
良いところ。
その他、第5話「銭取橋の斬撃」、第6話「よく似た二人」、第7話「耳のない男」。・・・新選組のことは余り知ら
ず、詳しい人にとっては「この程度の裏の真相では・・・」と思われるかも知れませんし、「本格ミステリ」の謎
解きを云々するレベルではないですが、実際に起きた数々の事件の史実や通説を引っ繰り返して意外な真相を
明かす、という趣向は大変面白かったですね。
0282名無しのオプ
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2013/01/11(金) 13:02:21.39ID:Sgqe7DIy
松尾詩朗以前にも、詩朗という名のミステリ作家がいたのか…
0283名無しのオプ
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2013/01/13(日) 00:28:20.33ID:N58O68pE
笹沢左保さんの短編で
皆生温泉の芸者さんの話があったと思うんですけどタイトル分かる方いますか
0285初代スレの>>3
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2013/01/28(月) 12:50:24.00ID:C4pfmFWw
牛次郎「三千万円の撒餌(こませ)」(祥伝社ノンノベルス)★★☆
1984年の誘拐物ミステリの長編。
一代で中堅サラ金会社を作り上げた男の息子が誘拐され、ワープロによる脅迫状が届く。身代金は1億
3千万円。捜査陣は脅迫状の特徴からワープロの機種を特定し、付されていた文書番号から犯人に肉迫
してゆく。犯人は母親の浮気相手か、恨みを持つ同業者か、それとも・・・。
冒頭、いきなり身代金奪取の場面から始まり、更に誘拐事件と関係ないかと思われた倉庫での変死事件
の顛末が語られ、終盤で二重のドンデン返しを迎えます。この手法はそれなりに効果を挙げており、読
者に先ず先ず驚きを与えてくれるのですが、当時脚光を浴びていたワープロにまつわる蘊蓄が今となっ
ては完全に時代遅れ、というか、捜査に精彩が欠けてしまっており、主人公格の藤堂竜刑事の造形が上
手いだけに残念。その他、文書番号の暗号解読興味や、身代金の半端な金額の秘密などの趣向もあるの
ですが、どうも伏線の張り方というか、どこか綿密さや面白味に欠けます。マンガ原作者としてのキャ
リアを感じさせる、なかなかメリハリのある出来の良い小説ではあるのですが・・・。
0286初代スレの>>3
垢版 |
2013/02/06(水) 12:29:15.87ID:Mxb9PBQO
斎藤栄「横浜山下公園殺人事件」(光文社文庫)☆
1986年の「白い魔術師の部屋」の文庫改題版の長編。
大学教授の徳井は腎臓の病気で長期入院中、透析を続けなければ明日をも知れない状態にあった。彼に
親切にしてくれた看護婦の早苗は婚約者から謎めいた手紙を受け取り、心配になって郷里の四国に帰る
が、婚約者は密室状態の浴室で殺されてしまう。徳井は、アメリカから導入した最新の携帯透析器の世
話になりながら、事件を追及し、早苗の恩に報いようとする。事件の背景には地元暴力団が暗躍してい
るようなのだが、徳井は友人の水木に協力を求める。だが姿を現さない水木。そして徳井の行動もまた
早苗に何かを隠しているらしく謎めいていた。一体事件の真相は、そして謎めいた徳井の行動の秘密
とは・・・。
・・・ああ、もはや「ミステリ小説」としての最低限の構成の緊張感すら失われてしまっている。どうやった
ら、こんなスチャラカでスカスカなお話を書けるんだ?婚約者が生前に遺した手紙の暗号解読なり、
浴室の密室トリックなり、謎解き興味までは失っていないようですが、オリジナリティはゼロだし、
姿を現さない謎の友人「水木」の正体・・・、って、あんな書き方したら、どんなボンクラでも真相は丸分か
りだろ?本当に作者は、これで正体を隠せた気でいるのだろうか?もしそうなら、もう二十年以上も
前の作品だが、この時点で引退した方が良かったと思う。ここまで駄作だと、書いた当時の精神状態
を疑いたくなるw
斎藤栄のクズミス群、もう止めようとは思うけど、もしかしたら次の作品こそ・・・、と気になって止めら
れないですねえ、って、ひょっとして一種のギャンブル中毒みたいなものなのか、俺?
0287初代スレの>>3
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2013/02/06(水) 12:32:19.52ID:Mxb9PBQO
山村正夫「死体化粧人」(講談社ノベルス)★★☆
監察医務官だったが退職して民間の葬儀会社の遺体修復師になった垂水。持ちこまれる死体の不審な
点から意外な真相を暴く、という趣向の1985年の連作集。
第1話「死体装飾人」は、飛び降り自殺したかと思われた若い女性。その修復を請け負った垂水は、死
体の異様な状態を見抜き、他殺ではないかと疑う・・・。スタートとしてはこんなものでしょうか。真犯人
が死体から或る「もの」を盗んだ動機がヒネッてある。
第2話「髭のある死体」は兵器・火薬工場の爆発事故。だが何者かによる爆弾事件の疑いが濃厚になって・・・。
大した出来ではない。
第3話「眼のない首」、これは先ず先ずの良作。思い切ったトリックを使っており、その必然性は弱くて、
強引な部分もあるのですが楽しめた。
第4話「屍ブローカー」もまた、或るトリックを使っているものの偶然に頼り過ぎ。
第5話「異形のかたみ」も同様のトリックで、そんな都合良く行かないよ。
第6話「指の告発」は意表を突いた真相があるも、やはり同様。
・・・主人公の「死体修復師」という職業を通り一遍になぞっただけで、踏み込んだ話に発展しておらず勉強
不足。また死体修復に絡まず、ただの鑑識の話もあったり、特に後半のエピソードは、どれも或る同じ
トリックの繰り返しみたいなところがあるのが残念。
0289名無しのオプ
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2013/02/26(火) 00:26:04.05ID:dmAainep
0秒の悪魔
媚香殺人事件

この辺りも気になる
0290初代スレの>>3
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2013/03/07(木) 12:29:43.39ID:wsl2JGvI
石沢英太郎「唐三彩の謎」(徳間文庫)★★★
1973年の長編。
会社社長の父親の面倒を見ている娘の砂原麻也子、父親が古美術品絡みの殺人事件に巻き込まれて
容疑者となり、香港に逃亡。更に戦争中、日本占領下の北京・紫禁城で起きた不可解な盗難事件と
人間消失事件に関係した男が殺される事件も勃発。麻也子は恋人の菅原とともに父を追って香港に
飛ぶ。北京・紫禁城の盗難と人間消失の真相は、そして玄界灘の孤島・沖ノ島で発見された唐三彩
との繋がりは、謎は謎を呼ぶのだが・・・。
真犯人の設定に甘さが見られるのですが、父親の不可解な失踪事件の意外性とその伏線、人間消失
トリックなど、さほど独創的なトリックでもないですが、なかなか読みごたえのある作品に仕上が
っていました。「カーラリー殺人事件」と並ぶ良作でしょう。
0291初代スレの>>3
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2013/03/07(木) 12:31:21.46ID:wsl2JGvI
斎藤栄「紅の天城高原」(集英社文庫)★★
1971〜86年の短編を収めた作品集。
「三色の告発」はお得意の囲碁に絡めた暗号解読物ですが、ラストのヒネり方といい、色々と粗い点が
目立つ凡作。
「幻のパンダ」は、動物園が募集した児童の作文の内容に不審なものを覚えた園長。作文を書いた女の
子が誘拐される騒ぎに発展するのだが・・・。突っ込みどころ多数ですが、身代金強奪のトリックや、子
供の作文に隠された謎など、趣向を凝らした力作で合格点。
「二重心中殺人」は、男女の無理心中と思われたガス中毒死事件、現場は内側から目張りした密室だっ
たのだが・・・。真犯人の意外性と密室トリックに挑んでいますが、オリジナリティはありませんね。
「桜咲く殺意の里」は、サラ金苦で心中することを決意して旅行に出た夫婦。夫が行方不明になった後、
殺されてしまう・・・。駄作だが、ラストで妻のとった行動がかなり意表を突いていて驚いた。
表題作は駄作。やはり1970年代に書かれた前半の作品は許せるが、1980年代の後半の作品は、読む
必要がない、というか読むと損するw
0292初代スレの>>3
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2013/03/07(木) 12:33:12.54ID:wsl2JGvI
日下圭介「ころす・の・よ」(新潮文庫)★★★
同じく新潮文庫の「偶然かしら」と同じく、文庫オリジナルの短編集。1985〜87年の作品を収録。
巻頭の「暗い光」と巻末の「盲点のひと」がベスト。「暗い光」は、浪人生の甥と同居する若妻。田舎
町の暮らしに飽き飽きしていたところ、近所で起きた殺人事件で甥が疑われるが・・・。この作者独特の
暗いムード満点で、やはり作者お得意の或る昆虫ネタと小味なトリック、ラストでハッピーエンド
になる反転の瞬間が素晴らしい。傑作揃いの初期短編群が復活した佳作。
「盲点のひと」は女性刑事・倉原真樹シリーズの中編。会社の保養所で殺された社員。保養所の鍵を
管理するヒロインの女性の証言により、保養所は密室状態にあり、自殺かとも思われたのだが・・・。
題名どおり、いわゆる「見えない人」のトリックで、さほどの驚きはないが、伏線なども上手く
処理されている良作。
その他には、「うぶな娘」の出来も先ず先ず。ヒロインに殺人の濡れ衣を着せようと企む二人組。だが
自らのアリバイ工作が一転、墓穴を掘る結果に・・・。
残りの「バイバイ・アリバイ」、「初恋」、表題作、「阿美の女」などは出来がイマイチでした。
0293名無しのオプ
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2013/03/14(木) 17:28:37.19ID:pD0bbYL/
0294初代スレの>>3
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2013/04/04(木) 12:50:43.49ID:UnY/c8Fb
矢島誠「シンデレラエクスプレス殺人事件」(ハルキ文庫)★★☆
1991年のノンシリーズ?長編。
日曜日最終の新大阪行きひかり号で発見された女性の手首。発見者となった京都のOL・亜紀と範子。
手首を持ちこんだ人物が亜紀の同僚の仁美であったことから事態は更に紛糾してゆく。仁美は何者かに
脅迫されて指図に従っただけだというが・・・。更に現場に居合わせたカメラマンの志麻の撮影した写真に
隠された秘密とは・・・。亜紀は志麻とともに真相を追及するのだが・・・。
特にどこが破綻している、という訳でもないのですが、裏の裏を突いた真相を狙う余り、辻褄合わせに
なってしまった、という印象が拭えません。バラバラ死体にした理由が意表を突いているけど、ちょっと
説得力が弱いというか必然性に乏しいですね。決して駄作という訳ではありませんが、良作とも言えない
レベル。
0295初代スレの>>3
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2013/04/22(月) 12:46:47.97ID:266GIUyw
笹沢左保「魔性の誘惑」(徳間文庫)★★
1969年の「陰獣の血」の文庫改題版長編。
元ホステスの亜衣子は会社社長と知り合い、玉の輿に乗り幸福な生活を送っていたが、刑務所に
服役中の昔の男が出所後、復縁を迫っていると刑務所仲間に脅される。今の贅沢な暮らしを失い
たくない亜衣子は、スナックで知り合った‘サタン’と名乗る謎の青年から「夫を完全犯罪で殺し
てしまえ」と唆される。一方、夫の方も不審な動きを見せてくる。果たして夫殺害は成功するの
か、そして‘サタン’の正体とは・・・。
うーん、‘サタン’がレッドヘリングとして上手く機能すれば、作者が隠したかった真の「秘密」が、
ラストのドンデン返しで大きな驚きを与えられたかも知れないですが、どうも失敗気味。
‘サタン’の秘密も、この作品発表当時ならあまり知られておらず、読者を驚かしたかも知れない
ですが、今となっては、何が意外なのかすらも理解できないでしょうね。作者の意図が上手くいか
ないまま終了、残念な出来でした。
0296初代スレの>>3
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2013/04/22(月) 12:50:27.44ID:266GIUyw
小林久三「夏の秘密」(カドカワノベルズ)★
1982年の、この作者には珍しい青春ものミステリ長編。映画化もされたようで、当時の売れないアイドル
ユニットが主演ですが、原作が以下のような出来栄えもあってか、映画の方もアレのようですw
私立高校の女子高生・ちえみは早朝のプールで担任共振惨殺死体を発見。容疑者かと疑われた親友の佐和子
が失踪の後、海に飛び込み自殺したかにみえたが、ちえみは偽装自殺で、佐和子はどこかで生きていると
信じ、同じ親友の久子とともに事件を追及するうち、一連の事件は、元刑事だった自分の父親が扱った過去
の事件に絡んでいることを知る・・・。
謎解きとしては大失敗じゃないかよw
佐和子が親友たちの前から姿を消して一時間と経たないうちに、遠く離れた場所で自殺した痕跡のみが発見
される・・・、って、それなら偽装自殺(しかも何者かとグルか、或いは本人とは関係ない人物の何かの陰謀か)
に決まっているのに、どうしてそれが‘不可能犯罪’になるんだ?
真犯人もバレバレだし、序盤で重要な立場にあった登場人物がいつの間にかいなかったかのような扱いに
なっているし・・・。好い加減なやっつけ仕事も良いところのダメダメな駄作。この作者がこんな青春ものを・・・、
という意外性はあります。まあ梶龍雄より若者の描き方が上手いのだけが取り柄か。
0297初代スレの>>3
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2013/04/30(火) 12:31:43.57ID:zKfSwlz+
大岡昇平「夜の触手」(光文社カッパノベルス)★☆
1960年の、作者初の長編ミステリとのこと。
幼馴染で結婚を誓い合った三郎とひろ子。高校卒業時にひろ子が行方不明に。タクシー運転手になった
三郎は銀座でひろ子と再会、だが、間もなくひろ子は殺されてしまう・・・。ひろ子は東京で何をして暮ら
していたのか、何も知らぬまま、三郎は容疑者として逮捕されてしまい、絶望して犯行を自白。だが
所轄署の波多野刑事は、三郎はシロだと判断、執拗な捜査の末に、もう一人の容疑者が浮かぶのだが、
その男には鉄壁のアリバイがあった・・・。
大して巧妙とはいえないものの、如何にもなアリバイ工作が出てくるので、その解明に期待したのです
が・・・。嗚呼、トリッキーな真相など期待した俺がバカだった・・・。終盤には、更に新たな容疑者がもう
一人登場するなどして、ひとヒネリしてはいますが、結局は読者の想定どおりの人物が犯人で幕。
これなら、以前に照会した「歌と死と空」や「最初の目撃者」の方がマシ。本作で評価できるのは、序盤で
姿を消してしまう被害者のひろ子の謎めいて不可解なキャラが、終盤まで深い印象を残し続ける点で
しょうか。この点だけは流石。
0298初代スレの>>3
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2013/04/30(火) 12:34:47.35ID:zKfSwlz+
・・・番外編。

アンソロジー「0番目の事件簿」(講談社)★★★★
いわゆる「新本格」でデビューした作家およびその影響を受けた新鋭作家らの「デビュー前の習作」を収録した
アンソロジー。収録作の多くが「1987年以前」のため、やや反則ながら紹介します。
有栖川有栖「蒼ざめた星」(1980年)。これは如何にも「大学機関誌に発表しました」風な作品。犯人特定の
詰めに甘さが見られるが、たどたどしい伏線など微笑ましいくらい。作者が言及している「ブラックジャック」
の一件は、コミックス20巻に収録の「台風一過」ではないのかな?
法月綸太郎「殺人パントマイム」(1985年)。真犯人の設定にブッ飛んだwでもその件の伏線が弱い。もっと
髪一重のところまで踏み込んでほしいです。
霧舎巧「都筑道夫を読んだ男」(1984年)。倒叙物。犯人を追いつめる外国人の正体とは・・・。タイトルどおり
のマニアックさもさることながら、犯人の追いつめ方がもう習作とは言えないぐらい堂に入って
いる。
安孫子武丸「フィギュア・フォー」(1984年)。これぞバカミス。「4」のダイイング・メッセージってw
これは俺にも真相が分かった。さりげない伏線がバカバカしくも上手い。
霞流一「ゴルゴダの密室」(1980年)。密室状態の部屋で、ドアに串刺しにされた死体・・・。これもバカミス臭い
が、密室ものとしては十分合格点だと思います。
高田崇史「バカスヴィル家の犬」(1973年)。収録作では最も古い作品、作者は当時中学生。ホームズ物のパス
ティーシュだが、これは一寸ねえ・・・。
綾辻行人「遠すぎる風景」(1984年)。冒頭に明記されているとおり、長編「人形館の殺人」の原型。これって、
当時読んだサークル仲間は、別の作品で、・・・・が・・・・であることに慣れていたので、見事引っかかった、
ということなのでしょうか?
他の収録作は、いずれも1987年「新本格」登場以降、その影響を受けた作家たちの習作なので略。
・・・いずれにせよ、1970〜80年代、一部を除いて謎解き本格ミステリに恵まれなかった時代の学生読者たちの怒り
と熱気が伝わってくる、「先ずは謎解きの本格ミステリ!、日本語の文法や作文の基礎などは後からついてくる!」、
とばかりの、ちょっと青臭いが、とても楽しめる作品集でした。
0299初代スレの>>3
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2013/05/09(木) 12:43:59.04ID:p8MYuPdN
志茂田景樹「西城家の惨劇」(実業之日本社ジョイノベルス)★★★★☆
1995年の長編。「猟奇ミステリー」とありますが、拾い読みした限りでは、エログロ描写も少なそうだし、終盤では
探偵が謎解きをしているような描写もあり、真っ当なミステリっぽかったので購入。発表年は本スレの主旨から
外れていますが、本作は紹介せざるを得ないケッサクです。
鉄道をメインとする一大財閥を率いる西城家。熱海の岬をまるごと買い取った広大な敷地に当主・龍一を筆頭に
本家の一族が暮らし、後妻親子、執事、主治医、使用人らの家族ともども一大帝国を築いていた。だが使用人が
崖から謎の転落死を遂げたのを皮切りに、茶室の天井崩落、後妻の子供への襲撃未遂などなど、一族の命を狙っ
た不審事が相次ぐ。長女で盲目のピアニスト世志子は、長男で家を飛びしてアメリカで画家・小説家として成功
していた春彦を呼び戻す。十数年ぶりに帰国した春彦と、龍一が雇った香港に住む名探偵・烏丸良輔が一連の事件
を追及するのだが・・・。
何といっても、名探偵・烏丸良輔がスゴい。金髪で黒いソフト帽にカイゼル髭、燕尾服を着て、馬に乗って登場(爆)。
河原町ならぬ烏丸、燕尾服・・・、って、麻耶雄嵩へのカン違い対抗か?
プロットは意外とマトモで、大富豪の遺産相続絡みで進み、終盤、関係者を一堂に会しての名探偵の謎解きもある
王道の展開。しかし、真犯人の意外性を狙う余り、犯人に関する動機や事実関係に後出しが多く、最後になって
そんなこと言われてもなあ、というのが正直な感想。小味なトリックなどもありますが、いずれも高い評価は出来
ません。
しかし、本作がスゴいのは、一連の事件が解決した後のラスト2、3ページ。「エッ!?そうだったのかよ!!」と
大爆笑しました。読み返してみると、確かに伏線はあった。その事実を上手く回避している描写もあり、これに
は降参。・・・しかし、理由は理解できるけど、必然性はあったのかなあ・・・。
ラスト、日本バカミス史上に残る驚愕の真相を笑って済ませられる人にはお勧めの一冊。草の根分けても探し出し
て読むべし。或る意味、麻耶よりもスゴい。烏丸探偵バンザ〜イ!
なお、星4つ半の評価は、バカミスとしての評価ですので念のため。
0302初代スレの>>3
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2013/06/18(火) 12:30:04.05ID:bOcR0VJw
新宮正春「甲子園球場殺人事件」(講談社ノベルス)★★
1984年の長編、講談社ノベルス最初期の一冊。
スポーツ紙記者の笠井は甲子園球場での巨人阪神戦を観戦中に親友の立花を殺されてしまう。笠井の
スタジャンを借りて着ていた立花は自分に間違われて殺されたのではないか、悩む笠井は単身、事件
を追及する。更には恋人の絵梨も殺され、一連の事件は更に、立花の勤務先の大学からの天然痘ウィ
ルス盗難事件にまで発展、警察と笠井らによる犯人追及は意外な方向へと発展してゆくのだが・・・。
うーん、序盤は快調でしたが、途中から、国際謀略物に近いテイストになってしまい、本格ミステリ
から離れてしまいました。謎解きも面白くないし、この作者の長編はこれが初めてでしたが、既に紹
介済みの短編集「後楽園球場殺人事件」、「殺人球場−殺しのトリック・プレイ」の方が「本格」として
は上でしょう。
0303初代スレの>>3
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2013/06/18(火) 12:33:06.13ID:bOcR0VJw
赤川次郎「駈け落ちは死体とともに」(集英社文庫)★★☆
1980年の短編集。本格ミステリとしては、表題作と「壁際の花」に注目。
表題作はユーモア物。予備校生カップルが駈け落ちして無理心中しようとするが、トランクがすり替えられ、中から
死体が。二人はすり替えられたトランクの行方を追ううち、意外な真相に行き当たる・・・。作者お得意の作風ですが、
伏線の巧みさと真犯人の意外性で読ませます。
「壁際の花」は、高慢ちきなアホ女子高生が密室状態の中で殺される。被害者を恨む者は多数いたが、みなアリバイ
があった・・・。ちょっと類例を知らないユニークな密室トリックが出てきます。
他の作品のうち、「交換日記」は、女性との同棲がバレて退学になった高校生。だが同棲相手の女性が一向に姿を現さな
い・・・。これは真相がバレバレ。
あと「遠い日の草原」もシンミリした良い話だが、ミステリとしては不十分な出来。残りの「善の研究」、「霊魂との約束」、
「二つの顔」、「命のダイヤル」は、ホラー風味などもあって工夫を凝らしているが、大した出来ではない。
0304名無しのオプ
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2013/08/17(土) NY:AN:NY.ANID:8hJKcuBv
0305名無しのオプ
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2013/08/17(土) NY:AN:NY.ANID:ed+QKYvW
まあ、ただの不注意だから5か月くらいムショ入りして
終いかな
ちょうどいい休暇くらいだな
そんなに日本は厳しくないよ
0306名無しのオプ
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2013/09/03(火) 03:27:27.78ID:cZl8tA04
0307名無しのオプ
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2013/09/04(水) 13:43:38.60ID:vNToEHyA
仕事

ビールがうまい

ドライブするように
0308名無しのオプ
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2013/10/03(木) 14:39:38.80ID:9nCLyhWM
保守
0310名無しのオプ
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2013/10/23(水) 11:13:29.77ID:r/baHKP3
相田

相本

野田

野痴

矢部
0311名無しのオプ
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2013/10/28(月) 18:42:02.05ID:pNxvM+U7
風見潤も亡くなってた?らしいな
0313名無しのオプ
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2013/11/23(土) 08:45:45.82ID:Ri1anEwU
夏樹静子「蒸発」読んだけど、なんだこの話・・・・・
0315名無しのオプ
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2013/12/30(月) 01:14:39.65ID:I2gWIHAk
0316名無しのオプ
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2013/12/31(火) 11:19:57.87ID:KZ7dXBmY
司城志朗の「そして犯人もいなくなった」が
どうしても見つからない…
0317名無しのオプ
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2014/01/13(月) 22:11:37.72ID:dUoSvs88
ボウリング殺人事件とか白い森の幽霊殺人とか読むと、ボウリングやスキーがすごい流行ってて時代感を感じる
0318初代スレの>>3
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2014/01/19(日) 10:13:44.49ID:ndtfZvhB
岡田秀文って面白いね(誰に向かって言ってるんだ?)

大沢在昌「眠りの家」(角川文庫)
1981〜1985年の短編集。
「ゆきどまりの女」★★★★。不要になった殺し屋たちを始末する謎の女性。或る男が掴んだ意外な
正体とは?
・・・最初から最後まで伏線だらけ。ハードボイルドのエッセンスともいえる短い枚数の小品なのに、
意外性に満ちた真相と、それを支える伏線が実に見事。
その他の作品は、いかにも1980年代の軽めのハードボイルド、謀略ものといった感じの作品が並びます
が割愛。
「ゆきどまりの女」だけでも読む価値があるでしょう。
0319初代スレの>>3
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2014/01/19(日) 10:26:12.16ID:ndtfZvhB
西木正明「凍れる花火」(集英社文庫)
1986〜87年の作品を収めた短編集。
北海道などを舞台にした滋味溢れる作品が並びますが、巻末の「孝行代金」が秀逸。東北の田舎町から
上京した祖父をもてなす孫の男と「わたし」。寿司をとって歓待しているのだが実は・・・。もう冒頭の
一行目から伏線になっており、孫と「わたし」の、どこかズレた会話の真の意味など、素晴らしい、の
一言。20ページ足らずの小品だし、これを「本格ミステリ」といえるか疑問ではありますが、「真相の意外性と、
それを支える伏線」という点ではピカイチの出来栄え。
その他の作品にも、演歌歌手が北海道で無銭飲食し、昔、関わりのあった雑誌記者が引き取りに行くが実は・・・、
という意外な展開をみせる「海鳴り列車」などの秀作もあります。
いずれにせよ、「孝行代金」は、三好徹「疵ある女」、夏樹「暁はもう来ない」、そして先ほどの大沢「ゆきどまりの女」
などに連なる、突出した、単発の「知られざる名品」なので、是非読んでみて下さいね(・・・って、だから誰に向かって
言ってるんだ?)w
0320初代スレの>>3
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2014/01/19(日) 10:36:18.48ID:ndtfZvhB
書き忘れたけど、「孝行代金」の評価は、無論、★★★★です。

夏樹静子「あしたの貌」(講談社文庫)★★☆
1978〜79年に発表された中編・短編を収めた作品集。
表題作の中編は、スタイリストの姉・麻生の失踪を追う妹のリツ子。姉と恋愛関係にあったカメラマンの
不審な様子に疑いを強めるが・・・。うーん、この枚数で登場人物が少ないから、真犯人はバレバレだし、
アリバイ工作も、やはり少ない枚数では露骨になってしまっており、高い評価ができないのが残念。
残りの短編では、別のアンソロジーで既読でしたが、「陰膳」がベスト。幼い子を亡くし、夫婦関係にも
ヒビが入った主婦が主人公。隣家の仲睦まじい初老の夫婦もまた、子を失っていたのだが、実はこの二人
には・・・。おお、こちらは少ない枚数を活かして、実に不気味な余韻とラストの切れ味の鋭さを磨き
上げた佳作。ひょっとしたら作者の全短編中のベストかも。
あと「遺書二つ」も、不治の病にかかった姉と妹の確執をシャープに描き、ラストのドンデン返しまでソツ
なく構成された佳作。
残りの「ベビ・ホテル」や「ひとり旅」は、オチや真相がバレやすく、在り来たりの結末の凡作。
0321名無しのオプ
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2014/01/19(日) 12:50:47.92ID:z3fCEAPP
おお今年初エントリーですね
今年も楽しみにしています
0323初代スレの>>3
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2014/01/25(土) 13:54:43.57ID:Po5xpvNk
浅川純「死体の壁」(トクマノベルス)★★☆
1990年の長編。
別荘地・霧生湖で発見された女性の死体。湖畔の保養所で、泊りがけのパソコン通信のオフラインパーティ
をしていたグループの一人が行方不明になっていたことから、警察はその女性かと追及するが、別人である
ことが判明。ではその死体の身元は、そして行方不明の女性は何処に?地元署の桐田は、ひょんなことで知
り合いになった引きこもりの少女・深雪からパソコン通信の手ほどきを受け、事件を追及するのだが・・・。
この作者の作品を読むのは「伊豆大島殺人火山」(>>83参照)以来か。題名のセンスの無さは相変わらず
(というか、この題名がストーリーの何を意味しているのか全く分からない)。おまけに古びてしまった当時
の風俗などが、今読むとイタイタしくて・・・。昔のパソコン通信やオフの話題やらハンドルネームなどは
「時代の制約」として目をつぶるけど、プロローグの或る人物のモノローグが、「やったジャン!」「一発マイ
クタイソンされて」「軽くジャブを具志堅ヨーコーこいたら」「天下の険、カイコーケンの人生訓」・・・、冒頭
からこんなもの出すなよw、梶龍雄を遥かに凌駕する「オッサン勘違いの若者言葉」に頭がクラクラ、作者は、
これで、「軽めの登場人物のジョーク交じりのセリフ」を表現した積りでいるのだろうか?作者の頭の中身が
心配だ・・・。
それはさておき、肝心の小説の中身の方ですが、桐田刑事の地道な捜査過程などは丁寧なんだけど、どこか謎の
構成がスカスカというか、古典的なトリックを使って、被害者の身元と容疑者にヒネりを加えている努力は買う
けど、伏線が上手くいっていないため、トリッキーな謎解きとしては不満足の出来栄え。
あと、プロローグにおける中町信ばりの叙述上の仕掛けも、その人物の登場のさせ方が不味いので不発気味。
やはり同時代の初期「新本格」陣には太刀打ちできないなあ・・・。
0324初代スレの>>3
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2014/01/25(土) 13:56:38.45ID:Po5xpvNk
鷲尾三郎「過去からの狙撃者」(光文社カッパノベルス)★★★
1950〜60年代に活躍した作者が約20年ぶりに復活した、1983年の長編。「フラッシュ・バック」では題名のみ
紹介されていますね。
神戸の高層ビルで起きた社長射殺事件。銃声の直後に警備員が現場に駆け付けるが、部屋には誰もおらず、
また途中で誰にも会わなかった、と証言、不可解な密室殺人事件となる。兵庫県警の各務警部は、社長の
碇山が戦争中、南方トラック諸島で起きた残虐な部下殺しの犯罪に絡んでいたことを突き止め、その恨み
による元部下らの犯行ではないかと追及するが、その容疑者たちはいずれも、社長射殺前に既に毒殺され
ていたことが判明、事件は暗礁に乗り上げるに見えたが・・・。
・・・密室殺人やら手の込んだ毒殺トリックなどトリッキーな謎解きに拘った点や、登場人物のキャラなどを
手堅くまとめた手腕は評価したいのですが、例えば、密室トリックそのものは、なかなか考えられた手口
で、ちょっとJ・D・カーの中期の良作を連想させる秀逸なネタとはいえ、そのトリックを成立させる点
で幾つか手抜かりがあり、特に「そのトリックの一部始終を知っている第三者がいた」というのは致命的
です。早めにソイツを尋問していればそこで終了、じゃないかよ。毒殺トリックも直ぐに解けてしまうし、
真犯人の隠し方も、現代の読者には直ぐに見当がついてしまうレベル。
別の事件のアレを使って、・・・・した、高層ビルならではの密室トリック、という点は評価したいのですが・・・。
0325初代スレの>>3
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2014/01/25(土) 13:58:28.18ID:Po5xpvNk
松本清張「紅刷り江戸噂」(講談社大衆文学館)★★★
1967年の時代物連作集。
「七種粥」は正月行事の七種粥にちなんだ毒殺物。江戸時代ならではの七種粥の風習の描写が興味深いが、
トリッキーな趣向も凝らしており、特に第二の殺人における偽装工作などは非常に独創的。でも謎解きの
展開に重点を置いていないのが惜しい。
「術」は、白昼堂々首を切る辻斬りが横行する話。謎めいた浪人が事件を解決するのだが、「被害者は何故、
いずれも抵抗なく縛られて、喜んで首を差し出したのか?」の真相が意表を突いており、これもトリッキー
な一編。「役者絵」も、真犯人に自白させる手段に、或る古典的なトリックを用いているのが面白い。
その他「虎」は渡り職人が自滅する話だが、ただの因縁話、「突風」、「見世物師」も同様で高い評価はできない
です。
0326初代スレの>>3
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2014/01/25(土) 14:00:57.37ID:Po5xpvNk
山崎洋子「吸血鬼たちの聖夜」(文春文庫)★★☆
1987〜1992年に発表された作品を収めた短編集。
表題作がベスト。何者かに殺された女性の幽霊。テレビドラマを巡る芸能界の醜い足の引っ張り合いの中で、
彼女を殺したのは、果たしてプロデューサーか、シナリオライターか、スポンサー会社の部長か・・・。ラスト
で、或るトリックが出てきて全てを引っくり返す手際が見事。やや伏線不足とも思いましたが、先ず先ずの
良作です。
他には「メランコリーは危険」、事故で記憶を失った女性。夫や娘、妹の話から、自分はかつて、家族を顧み
ずに外国で好き放題の暮らしをしていたことを知り、自殺しようとするが実は・・・。これまた意表を突いた
真相を用意していますが、やはり伏線不足は否めない。
残りの「妖女狂演」、「愛する人に、きらめく死を」、「やさしいだけでは生きられない」は謎解き風味が薄れた
作品で凡作。
0327初代スレの>>3
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2014/01/25(土) 14:03:43.21ID:Po5xpvNk
日下圭介「負のアリバイ」(徳間文庫)★★
1980〜1991年までの作品を集めた短編集。
表題作は、倒叙形式で、二重のアリバイ工作を企むも、殺そうとした人物ではなく、別の人間を殺して
しまった主人公。だが何者かの動きでアリバイが成立してしまい・・・。偶然頼りでダメだな。
「その時、電話が・・・」は佳作。深夜の電話直後に殺された女性。その女性と話していた連中にはアリバイ
が成立し、被害者の弟が誤認逮捕、のちに釈放された弟は事件の真相を追うが・・・。これは犯人の意外
性と結末の付け方が上手い。
「ゼロの男」も、叙述上の綱渡り的なテクニックで真犯人の意外性を際立たせた佳作。
でもそれ以外には、「十五年目の客たち」が先ず先ずの出来の他は、「窓際のヒマワリ」、「隣室の事件」、「消え
た事情」など、いずれも取るに足りない出来で残念。
0328名無しのオプ
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2014/01/25(土) 14:27:29.27ID:EFrhzbNv
昔の週刊文春ベストミステリーを見ていたら、
斉藤栄の方丈記殺人事件に高評価を与えたり、
思ったよりもいい仕事していたんだね。
0329初代スレの>>3
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2014/01/25(土) 14:38:52.27ID:Po5xpvNk
石沢英太郎「謀鬼」(講談社文庫)★★☆
1969年発表の表題作から、1975年までの中編、全3作を収めた作品集。
先ずは表題作。江戸時代初期に起きた福岡・黒田藩のお家騒動。家老・栗山大膳の遠い子孫に
あたる主人公が子文書に興味を持って調べるうち、栗山大膳が流された岩手県に住む子孫と知
り合う。だが彼は福岡に転勤するとともに会社の合併騒ぎに巻き込まれる。二人が掴んだ黒田
騒動の真相は、そして栗山大膳が起こした謀反の真の動機とは・・・。
歴史ミステリに、主人公が巻き込まれた会社の派閥争いを重ねわせた力作なのですが、中編で
まとめるには枚数不足が露わ。結末の付け方も含め、やや竜頭蛇尾に終わった惜しい作品。
むしろ、長崎・平戸の旅館で見つかった謎の浮世絵を巡る「秘画」の方が、謎解き趣向では優れ
ています。「写楽の正体」という、未だにミステリの題材となっているテーマですが、そこに連続
殺人を絡め、真犯人の意外性とアリバイ工作まで盛り込んだ作品。でも中編ゆえに、アリバイ
崩しや真犯人特定に至る謎解きの部分がアッサリしてしまった嫌いはあります。まあ水準作で
しょうか。
「沖田総司を研究する女」は凡作。新撰組に、過激派の内ゲバを絡める、というのはユニークだ
けど、全くまとまりに欠けた作品。
0330名無しのオプ
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2014/02/09(日) 02:00:43.55ID:gmHnVgnY
笹沢佐保のどんでん返し双葉にて新装発売。このスレ向けっぽいから貼っとく。
ttp://www.amazon.co.jp/dp/4575516511/
0331初代スレの>>3
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2014/02/23(日) 13:43:23.68ID:GQa7G3zR
赤川次郎「忙しい花嫁」(角川文庫)★★★☆
1982年の「花嫁」シリーズ第1作の長編。
女子大生の亜由美は、卒業した先輩・田村の結婚式に招かれるが、式全体の雰囲気がどことなくオカ
しいことに気づく。田村の結婚相手・淑子は、ホテルのオーナー一族の令嬢だったが、田村は亜由美
に、「彼女は良く似ているが別人だ」と打ち明けたまま、新婚旅行先のドイツで行方不明に。一方、日本
でも、田村の同僚がトラックにハネられて殺されかけ、遂には、亜由美と一緒に結婚式に参列した先
輩が、衆人環視下の密室状況にあった大学の部室で刺殺される事件も勃発する。田村の新妻の淑子は
新婚旅行から一人で戻ってきたが、やはり別人がなりすましているのか?だとしたら本物の淑子はど
うなったのか?亜由美は友人の有賀とともに事件を追及するのだが・・・。
・・・真犯人の意外性と密室トリックの謎解きに拘った、なかなかの良作です。特に、ちょっとした
言葉の錯誤による伏線と、密室トリックに関する伏線のさり気ない描写が秀逸。レッドヘリングも絶
妙に効いています。
二か所ほど偶然に頼った部分があり、それが結構重要な場面なので、その点で評価が落ちてしまうし、
回収し忘れた伏線らしきものが放置されているようでもあり、残念ながら「傑作」とは言い難いので
すが、一読の価値がある作品です。
0332初代スレの>>3
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2014/02/23(日) 13:44:56.70ID:GQa7G3zR
和久峻三「蝮のようなレディ」(徳間文庫)★☆
1987年のノンシリーズ長編。
京都の産婦人科の病院長・本郷は病院敷地内に専用の写真室を増設して、道楽のヌード写真に精を出す
毎日だったが、密室状態の撮影室で殺害される。さらに後妻の愛人が、バカ息子の家庭教師が住み込ん
でいる部屋で発見され、その現場もまた密室状態だったことから、同じ部屋で熟睡していた家庭教師の
女子大生・篠原は逮捕されてしまう。だが後妻もまた密室の自室で殺されてしまう。釈放された篠原は、
自分に罪をなすり付けた真犯人を追及するのだが・・・。
三つの連続殺人が全て密室、ということで読んでみたのですが、やはり好い加減な駄作でした。三つと
も同じトリックというのは仕方ないにしても、オリジナリティはゼロだし、トリックの伏線もあるけど、
その伏線が描写された途端に全てがバレバレ、真犯人の意外性はあるけど、動機や人間関係に後出しが
多すぎて、高い評価はできないです。おまけに本筋に無関係なエロ描写、警察の捜査も好い加減にも程
がある・・・。
ホント、山村美紗と和久峻三のおかげで、京都府警の評判はガタ落ちだよw
0333初代スレの>>3
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2014/02/23(日) 13:47:40.78ID:GQa7G3zR
由良三郎「13は殺人の番号」(双葉文庫)★★
1987年の長編。
坂巻医院の看護婦・湯田中淳子は、或る時、院長夫婦が舅の前院長を人知れず毒殺しようとしている
話を立ち聞きしてしまう。絶対にバレない毒薬をいつ入手するのかと不安に思っているうちに、肝心
の院長がウィルス性の病気で急死してしまう。死の直前、淳子は院長が「ミミー」と言い残し、また
「13」と書き残したことに気付く。実は病気ではなく、入手した謎の毒薬により、何かの手違いか、
或いは仲間割れで、妻が夫の院長を毒殺したのではないか、或いは後釜を狙う若手医師の仕業か。
淳子はダイイングメッセージの真相と真犯人、そして謎の毒薬の正体を追及するのだが・・・。
ダイイイングメッセージは、読み進めるうちに誰でも気付くネタですが、シェークスピアの有名な
或るネタが出てくるのが一寸ユニークでしょうか。フーダニット物としても、真犯人の意外性は工
夫しているけど、トリッキーなヒネりが足りなく、中途半端なまま終わってしまったのが残念。
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