sage忘れた、スミマセン・・・。

高木彬光「人斬り魔剣」(春陽文庫)★★
春陽文庫なので、発表時期不明でしたが、調べてみると1958年の「青貝進之丞人斬り控」が元題のようです。備前・
池田藩出身の浪人・青貝進之丞を主人公にした連作集。青貝は、「自分の命売ります」で江戸中の評判になり、彼の
腕前を買う人々に絡んでくる事件を解決、或いは自分の腕を買った本当の理由を暴く、というパターン。
第一話「女自雷也」がベスト。青貝を千両で買った女。さる旗本屋敷に幽閉されている娘の救出を青貝に依頼するの
だが・・・。アリバイ工作の一種ですね。ミエミエだけど楽しめた。
続く「女敵討ち」は、或る道場主を仇と狙う男に買われた青貝。道場破りに出向くのだが・・・。これは真相の意外性に
ヒネりが見られるが、ミステリとしては弱い。
続く以降のエピソードでは、ミステリ的な構成が全く薄れてしまっており、ただのチャンバラ小説になってしまったのが
残念でした。