後期クイーン的問題とかってくだらない。
第一の問題
「作中で探偵が最終的に提示した解決が、本当に真の解決かどうか作中では証明できないこと」
第二の問題
「作中で探偵が神であるかの様に振るまい、登場人物の運命を決定することについての是非」
もっともらしい名前がついてるけど、こんなんの問題でもなんでもないじゃん。
第一の問題は現実でもそうでしょ。作中に限らない。
法廷に出された証拠がすべてで後は存在しないなんて思ってる人いるの?
新情報が出て判決が覆され、冤罪が証明されることもある。
第二問題なんて、問題ですらないじゃん。こんなの問題視するほうがどうかしてるだろ。
ほとんどのミステリーは探偵が指摘した後、ちゃんと司法の裁きを受けてる。
探偵が神だなんて誰も言ってないだろ。
探偵の存在そのものが事件に与える影響というが、そんなの警察でも一緒でしょ。
警察の捜査から逃れるために、証拠を隠滅するために、殺人を起こすことだってある。 「あしながおじさん」でも、クイーン問題ってあてはまるよ。
作中でヒロイン(ジュディ)とあしながおじさん(ジャービス)が結ばれたことが、
真実かどうか作中では証明できないよな。
この話は全部ヒロインの妄想でした、もしくはおじさんの妄想でした
って一文をつけくわえたら全部ひっくり返るわけだし、書かれてないからって、
そうじゃない保障はない。
・実は2人ともM78星雲からやってきた宇宙人でした。
・ヒロインはおじさんの正体を知っていて、騙されたフリをして逆に操っていた。
などなども、書かれてないからって完全には否定できないし、
そうじゃないとも誰も証明できない。
また、あしながおじさんは、裏から手をのばしてヒロインの運命を、神のごとく扱って、
最後は自分のものにしちゃうけど、倫理的問題はさておき、これが否定されたら
物語として成立しないな。
じゃあ、探偵とあしながおじさんの差ってなによ?って問いかけたら、
法月は答えられるのかねえ?
俺には目的が違うだけで、他人の運命を操るって点では同じにしか見えない。 もっと言えば、普通の日常生活を描いた小説で、
母親が「ハンカチ忘れちゃだめよ」と息子に言ったとする。
そして息子はハンカチをポケットに入れた。そのおかげで、
学校のトイレで手を洗った時に拭けた。
これも立派に他人の運命を操ってるよな。
母親の言葉で、トイレで息子はハンカチで手を拭けた。
探偵の言葉で、事件の真相は暴かれ、犯人が捕まった。
探偵とこの母親の差ってなに?他人の運命を操ったって点で、
まったく同じやん。