「北緯35度の灼熱」この作者は題材の選び方を誤った。話が乱歩賞向きでない、というのではない。映像にするならともかく小説では、このような話に読者を引きつけるためには、
高度な文章表現力が必要である。新人にしてみれば最も難しい技を使わねばならないのだ。私はこの人のシナリオ作品を何本か見ているが、むしろ構成力を生かした作品で勝負すべきではなかっただろうか