「あーーーーーッ!」
突然の叫び声。
どうやら香山さんが叫んだようだ。
「一体どうしたっていうんです?香山さん。」
ぼくは冷静に聞いてみた。
「と、俊夫くんが…、うんこを踏んだんや!」
そう言えば、非常に臭い。
「俊夫さん…あなた…まさか…。」
「しょうがなかったんだ!!!
誰だってペンションの床にうんこが落ちているなんて
想像できる訳がないだろう!?」
「しかし、糞踏み野郎という事実は変わらないぜ?」
美樹本さんが冷たく言い放つ。
「きもーーーーーッ!」
啓子ちゃんが俊夫さんにタオルを投げ付けた。
「みどり!
何とか言ったらどうなんだ!
俺がこんな目に合っているというのに!!!」
俊夫さんはみどりさんに助けを求めた。
「そうね、問題はそのうんこが誰のものかってことよ。」
そう言えばそうだ。
ペンションの談話室にソノヨウナモノが落ちているということは、
トイレに間に合わずに漏らしてしまった可能性が高いのだ。
当然、外は猛吹雪で、外部の人間ということは考えにくい。
ということは…?

A. 俊夫さんだ。俊夫さんが自分で漏らして自分で踏んだのだ。
B. 俺さ。
C. 真理に違いない。挙動不審だった。
D. 待てよ、そもそも人間のものなのか?