D. 恋人と噂のみどりさんに聞くのが一番だ。

「みどりさん、俊夫さんはどこに行ったんですか?」
「そうね、どこへ行ったと思う?」
「質問に質問で返すのは反則ですよ。」
「あhっひゃッポゥ!!」
突然みどりさんがおかしくなってしまった。
「んんあへ!メッピレ””」
「こらあかん。シャブの中毒症状や!」
香山さんが青い顔で叫んだ。
「シャブですって?みどりさんが覚せい剤を持っているというんですか?」
「そやかて、以前に矯正施設で見た患者とそっくりなんや!」
「きっと、いなくなった俊夫くんが、みどりさんを薬漬けにしたんだろう。」
小林さんが冷静に、皆を落ち着けるように言った。
「とにかく今のみどりさんは危険だ。
縄で縛って拘束しておくんだ。」
屈強な肉体を持つ美樹本さんが、みどりさんを押さえつけ、あっという間に縛り上げる。
「ようし、地下のワインセラーにぶち込んでおこう。」

数分後、静まり返った談話室に、俊夫さんとみどりさんを除く全員が
黙ったまま座り込んでいた。
「小林さん、あんた知っていたのか?シャブのこと。」
痺れを切らしたように、美樹本さんが小林さんに詰め寄った。
「知っているはずがないだろう。もし知っていたらとっくに警察に通報している。
だが、俊夫くんの様子が最近おかしかったことには気付いていたよ。
例えば、うんこをわざと便器の外にしたりな。」
ぼくはここで推理してみた。

A. 俊夫さんはすでに死んでいる。小林さんこそがシャブのブローカーなのだ。
B. みどりさんは本当に薬漬けなのだろうか?
  香山さんがいい加減なことを言っているだけなのでは?
C. さっきから妙に美樹本さんが苛ついているようだ。まさかシャブを横取りされたのだろうか?