>>215
安吾はモラルの無い状態
アモラルをそのまま放置しておく文学をあまり評価はしていません
まあ結局、個人による文学のモラル志向とアモラル志向の選択は
趣味嗜好の問題に過ぎないということになってしまいますが

論理的に正しいはずの革命理論と倫理が真向から対立してしまった
この構造を、推理ロジックの整合性と倫理の対立に置き換えた思考実験
これが駆シリーズの最初期から一貫したテーマであったと思います
つまり、その論理と倫理の対立する限界と構造的欠陥への挑戦こそが主題ですね
(それが成功しているか、失敗なのか、ペタンティズムにすぎないのかはひとまずとして)

だから他の一般的な本格ミステリーのように
作品としての整合性のみを問題にすると、面白さが半減してしまうと思うんですね
(完全に余計なお世話ですが)