捜査技術の発展と共に、近年は、なかなかハードボイルド、とくに私立探偵物が成立しにくくなってきていますが、70年代を舞台にしたことでそれが可能になり、
レイモンド・チャンドラーを愛読する著者ならではの、本当に久しぶりの正統派私立探偵小説の傑作が生まれました。何度読んでも新しい発見と感動がある、著者の新たな代表作となる作品です。

喝采 (ハヤカワ・ミステリワールド) 単行本 – 2014/7/26 藤田 宜永 (著)

父の死と共に新宿の探偵事務所を継いだ浜崎順一郎は、引退した女優捜しの依頼を受ける。
だが発見した矢先、女優は何者かに毒殺された。第一発見者の浜崎は容疑者扱いされ、友人の記者や歌手、
父の元同僚の刑事らの協力を得て事件を調べ始める。それはやがて、かつて父が調べていた現金輸送車強奪事件と奇妙な繋がりを見せ……ジャズや映画の華やかなりし70年代を舞台に贈る贅沢な読み応えのハードボイルド。