「滅びの宴」再読。
改めて読んでも間違いなく傑作である。
前半は鼠禍による恐怖の蔓延、後半はテロリストによる東京壊滅と、
テーマが分断されてしまう感は否めないのだが、これはこれでいいのである。
自然破壊を止められない人間の愚かさも、エゴイズムにより崩壊していく都市の秩序も
愚かさをを謳っているという意味では、それほど遠く離れてもいないのではないだろうか。
なにより滅び行く東京と一千万都民の阿鼻叫喚の姿が凄まじい。
カタストロフ小説としては、これまで自分が読んだ小説の中でも間違いなく10本の指に入る。
「滅びの笛」や「蒼茫の大地、滅ぶ」ももちろんその中に入る。
今回、「滅びの笛」を先に読みたかったんだが、こちらはBOOKOFFを回っても見つけられなかった。
返す返すも手放すのではなかった。それだけが残念。