宇野訳はダメだね
下訳をたくさん使っていた元締めなので、担当する下訳者のレベルにより、
出来の良い訳文もあるのではと期待したこともあったものの、今までまとも
な宇野訳に出あったことがないため、ついに匙を投げた次第

誤訳を見つけるのは、日本語をきちんと読むことさえできれば、そう難しい
ことではなく、日本語としておかしな表現を見つけることさえできれば、そう
した箇所を原文と比較し、誤訳かどうか確認することができる

つまり宇野利泰という人は、日本語の文章が下手くそで、読者にすぐ尻尾を
つかまれてしまうため、簡単に誤訳がバレ、誤訳王としての名声を高めたと
いうこともできる

最近、電子書籍で安くなっていたので購入した『寒い国から帰ったスパイ』
(宇野訳では「寒い国から帰ってきたスパイ」)
も、やはりいつもの宇野訳で、読み始めてすぐにおかしな表現が気になり、
読書に集中できない状態となってしまった
(下の英文は、アマゾンの「なか見!検索」で調べることができる)

 検問所の窓越しに、通行人のかげのない街路を見つめている。
 (通行人のかげのない? なぜ「人影のない」と訳さないの?)

 前方の道路上へ、ドラマチックな光線を投げかけた。
 (ドラマチックな光線? なぜ「舞台照明のような光」と訳せない?)

冒頭の、1,2ページを読み始めただけでそんな具合なので、まるで読書に
集中できずストレスがたまる