ホローはどう見ても一番怪しい奴が結局犯人でしたという通常のフーダニットの逆をゆく
ような構成が、ストーリー全体に仕掛けられた「トリック」ということか。
語り手が犯人(アクロイド、終わりなき夜に・・)、容疑者全員が犯人(オリエント)は
言うまでもなく、ヒロイン役が犯人(邪悪の家)、ヒーロー役が犯人(三幕の悲劇)等々、
アガサは通常パターン外しの名手、ミステリの女王の呼称は伊達じゃないという感あり。