「お客さん!これ偽札じゃないな!!」
「運転手さん聞いてくれ。俺は偽札なんか作っていない。誰かに罠にはめられているんだ」
「罠っていうどういうことだ」
「知らない間に財布に偽札が入っているんだ。警察にも怖くて言えなかった」

「だからその都度燃やしていたんだ。なのに何故か燃やしても燃やしても戻って来るんだ」
「あんたの話が本当なら誰か身近な人が入れてるってことか?」
「違う。燃やした後、財布をテーブルに置いてじっと待つんだ。10分経つと何故かまた偽札が入っているんだ」
「そんな馬鹿なことがあるもんか」
「論より証拠だ。見てろよ」
客はそう言うと火のついた偽札を外へ放り出した

「10含めて経ったぞ。財布を見るからな」
「おい、偽札なんて入ってないじゃないか」
「え?何のことです?」
「さっきの偽札は何だったんだ!燃やしても戻ってくるなんて言って!」
「またまた運転手さん。燃やした物が戻って来るわけないじゃないですか(笑)はい、お代です」