会社経営を始めた男は周囲に当たり散らすようになってしまった
妻子とも上手く行かない
子供の頃から蜂蜜を舐めるのが好きだった男は今はそれだけが癒やしになってしまっていた

『お父さんそれなに?』

『これは薬だ。舐めたら死んでしまうから絶対に舐めるなよ』

まったく油断ならない。男はそう言いながら蜂蜜を戸棚にしまった

次の日新しいビール瓶を開け一口飲んだ
いつもと明らかに味が違う
明らかに何か甘い物が入っている。よく見るとビール瓶の蓋の一部が一度開けられたようにゆがんでいた