――大学時代は「ワセダミステリクラブ」に在籍されていたと聞きました。当時は何か書いたりはしていなかったんですか?
恩田:学生時代はまったく書いてないです。当時は作家になるということを現実的に考えていませんでしたし。

それと、実は「ワセダミステリクラブ」にいたのは一瞬なんです。すごく有名なサークルだったので入ってみたのですが、当時はファンタジー小説が全盛で、私が好きだった本格ミステリを読んでいる人はほとんどいませんでした。
――サークル内にも流行があったんですね。
恩田:ちょうど「機動戦士ガンダム」が人気だった時代で、アニメとかSF、ファンタジーが盛り上がっていました。作家でいうと田中芳樹さんとか。

だから、ミステリを語りたいのに語れる人がいない、という感じで、他のサークルで忙しかったこともあって半年くらいでフェードアウトしてしまいました。