>>394
その映画の主人公は歯科医になるチャンスをふいにしてまで音楽家になりたいという欲望を持っていたわけですね
そして、あなたはこの考え方に苛立ちを覚えておられると

これもまた推測でしかないのですが、あなたはお金(≒職≒安定)を最優先事項とすることを普通と呼び、そうでない判断を下すキャラクターを"普通でないから嫌い"とお考えなのではないでしょうか
木場は思い入れのある女優のために警察手帳をもかけて組織に逆らいました
榎木津は元華族の出でありながら、その威光を利用せず、自社ビルに探偵事務所なんかを構えのほほんとしています
後者は見かけより現実的という評もありますが、それでも安定志向なキャラだとは言えないと思います

また、以下は少し穿ち過ぎかも知れませんけれども
木場と榎木津はいわゆるメインキャラクターです
作中でどんなに不合理な(ここで言う"普通でない")選択をしようとも、作品世界から退場することはありません
一時的に憂き目を見ることはあっても、木場が日雇い人足に身を窶したり、榎木津が破産の末首をくくったりといったことはあり得ないわけです(後が汚いですし)
そして、破滅があり得ない為に彼らは幾らでもリスクを冒せるのだと考える、いや感じてしまうことも起こり得るのです
フィクションの特権といいますか、そういうのが透けて見えてしまう為に、安定を以って普通とする価値観から見ると、この2人があまり好きになれないのではないかなと、私は思いました