>>523
新版横溝正史全集の「貸しボート13号」はショートバージョンだから、やっぱり長くした「貸しボート十三号」で読み直しておいた方がいい。「支那扇の女」も事情は同じだけど、こっちは読まなくても可。
本格限定だとやっぱり限られちゃうんで、後は「人面瘡」「殺人鬼」「黒蘭姫」辺りまでが水準作。
全集に入ってる「香水心中」の姉妹篇「霧の山荘」も読んでおいて損はない(「仮面舞踏会」で言及されてるのは、この事件)。
金田一ものの長編で次点なら「不死蝶」「夜の黒豹」辺りだけど、強くお薦めって程ではないし。
ノンシリーズなら「双生児は踊る」(姉妹篇の「双生児は囁く」は読まなくても可)「花粉」。
戦前作からもあえて選ぶなら「呪いの塔」(目を凝らして再読すると伏線が見つかったりする)。
密室ものなら「三本の毛髪」「血蝙蝠」なんてのもある(トリックは至ってプリミティブだけど)。