>>628
本格好きには、発表当時から蝶々の方が評判良かったみたいだね
坂口安吾なども、蝶々の方を絶賛している

  日本では横溝正史が抜群であり、作家としての力量は世界のベストテンに楽に
  はいりうるものである。特に「蝶々殺人事件」は傑作であり、終戦後の作品には、
  愚作がすくない。
  最もつまらないのが「本陣殺人事件」で、「蝶々」をおさえて「本陣」に授賞した
  探偵作家クラブの愚挙は歴史に残るものであろう。
                                   坂口安吾 「推理小説論」

個人的には「本陣」の方が好きで、これは角川文庫に併録した「車井戸」と「黒猫亭」が
良作であることも、本作の評価を上積みしている要素となっているのかも知れない