「アンタ、探偵か何かだろ?」
見抜かれている──

「あ、あ、あんたこそ何なんだ?」
俺は動揺を隠して男に尋ねた。

「俺か?そうさな、俺は『悪人』ってやつさ」

『悪人』と名乗る、その男は自分は腕利きの大犯罪人だと言う。
ありとあらゆる犯罪を犯してきて、しかも1度も捕まった事がない、と。

「そんな俺でも、唯一やった事がない犯罪があるんだけど、それは何だか分かるかい?探偵さんよぉ」

男は挑戦的に俺に問いかけた。

さて彼が唯一やった事がない犯罪とは、それは何だろうか?