たまたま大昔のプロレス雑誌を見ていたら、のちに新日本プロレスの
社長になって銀行筋に絶対の信用を誇った坂口征二のページがあり
「プロレスナンバー1の読書家!」などと書かれていた。同じように
読書家と言われていた馬場の愛読書は柴田錬三郎だったというし、
どうせロクなものは読んでないだろうと続きを見たら、

「もう本さえ読んでればシアワセ!巡業に行くときなんか本をどっさり
買い込んでいきます。列車や飛行機に乗るのが楽しみですもん。
それこそ直木賞から芥川賞まなんでもで乱読ですね。ミステリーも
面白いんですけどハードボイルド小説が一番好きですね。」

と言って、

「大藪晴彦とか西村寿行なんか大好きですね。作家そのものより
主人公に惹かれるんですが、『犬笛』っていう西村寿行の作品、
あれ読んでいると、主人公の犬が可愛くなっちゃって…」

とジュコラーだったことを初めて知った。80年の号だから個人的には
ずいぶん時間が経って知ったことになるなあ。