大幅な加筆は多分ない。
でも、微妙な改訂は、出版社ごとにされている。

角川文庫版の「往きてまた還らず」では、
中郷のフルネームが提示されておらず、ただの中郷警視正となっているのに対し、
徳間版や光文社版では中郷広秋警視正となっている。
これは寿行先生本人ではなく、死神がシリーズ化したあとに編集者が改訂した可能性が高いです。
初出時の「往きてまた還らず」では、中郷のフルネームはまだ決まっていなかったんです。

「闇に潜みしは誰ぞ」でも、ラスト近く峰が敵陣を罵るシーンで「お○○こ野郎!」を連発するんだけど、
元版の集英社版では、「お××こ野郎」と伏字になっているのに対し、
後追いの角川文庫版ではそのものズバリ女性器名称になっている。
これは集英社版が編集社が勝手に伏字にしたのに対して、
角川は先生の原稿を忠実に再現した結果なのだと思う。

こんな改訂はチラホラ見られる。