『おんなのこの悩み』

私は綺羅璃。イマドキの、ちょっと地味めな高校1年生。
「──だからさぁ、アタシは言ってやったわけよ。毛の処理もできねぇ男はお呼びじゃねぇってな!」
…こっちでガールズトークをしてるのは、私の幼馴染のミカ。私とは真逆で、すごく勝ち気なタイプなんだけど、幼稚園の頃からずっと仲良しだ。
「──なぁ綺羅璃、お前も当然処理くらいしてるよな?」
「ふぇっ?!もも、もちろんしてるよ!あはは…」
急に話を振られて、咄嗟に嘘を吐いてしまう。けれど、
「嘘だな。お前は昔から嘘吐くときにゃ頭掻くからすぐ分かるんだ」
簡単に看破られてしまった。
「どーせ私はお呼びじゃない不潔女ですよーだ…」
「わりいわりい、まぁお前ん家無駄に厳しいからなそういうのも教えてないだろうしな…コレやるから元気出せって、な?」
と言ってミカが渡して来たのは…脱毛クリーム?
「よくわかんないけど、ありがと。家帰ったら使ってみる」
「おう!効果はアタシが保証する!塗ったところは2度と生えて来ねぇくらいだ!」
ここで始業のベルが鳴った。脱毛クリームかぁ…家に帰ったら、腕とかで試してみよっ。

放課後。家に帰った私は、早速クリームを使うことにした。お母さんはいないから、今の内に…うわっ、すごい、産毛がどんどん抜けていく。この調子で次は…
「ただいま、綺羅璃」
「へっ?お、お母さん?」
「どうしたの、そんなに慌てて…待ちなさい、アンタ何か隠さなかった?」
「な、なんでもないよ、お母さん」
「嘘おっしゃい。今すぐその隠した物を見 せ な さい!…何よこれは、アンタこんなもの使ってるの?汚らわしい。大体こんなものを使うのは売女くらいのもので──」
はぁ…お説教になっちゃった…憂鬱だよぉ…