あ、あいて(相手)います!

えコイツ彼女いんのかよ全然そんな素ぶりは見せなかったのにマジか思わせぶりなこといってんじゃねーよ
と内心では全力で罵りながら表情には出さず、バイト終わりまで取り留めのない会話でやり過ごした

「タカシ、彼女いるみたいですよ」
着替えを終えたミズキはうしろ手でドアの鍵を掛けつつ事務所に入った
「ああそうなの?飛んだアイツの代わりにタカシをクリスマスのシフトに入れようと思ってたんだけどな。ミズキ、悪いけど‥」
「わかってますって店長。だから今年は絶対にあのバッグ買ってくださいよ」

わかってるって
店長は在庫管理の画面から視線と椅子をずらした。そして目の前に跪きジッパーを下ろすミズキの背中越しに赤いブルマに手を伸ばした