目暮警部は目撃者の女性に話を訊いた。
「では、強盗犯の人相について、もう1度話を伺ってもいいですか?」
「はい、私が見たのは、40代ぐらいの男性でした。派手な眼鏡をかけていました
それから大きなアタッシュケースを持っていて、綺麗なスーツを着ていました
あとは……左目の近くに火傷のような痣がありました」
「ふむ、なるほど、随分と色々な特徴を覚えてくださったのですね」
「お役に立てたでしょうか?」
「ええ、とても参考になりました」

目暮は目撃者から離れると、部下の高木にこぼした
「ふん、まったく参考にならなかったな」

参考にならなかった理由は何か?