俺、女装オナニー顔射が趣味だよ。まあ引き篭もりの俺にとって、唯一の生き甲斐かな。
なんていうかね、罪悪感の裏に、びっしりと快感がこびりついてる感じ、って言ったら解りやすいかな。
やっちゃいけない、背徳だ。心の真正面ではそう思ってる、でもね、
ひとつ裏ッ返すと、ものすごく悦に浸っている自分がいるの。
自分でも信じられないくらいに、自分に酔っちゃってるの。
俺ね、初めて女装したときのこと、まだ覚えてるよ。
注文していたきれいなフリル付きのメイド服が届いてね。俺はそわそわした。
やった。これで俺もきれいなメイドさんになれる。憧れのメイドさんになれるんだ、って。
すね毛も腋毛も剃ってね、もちろん顔もきれいに剃って、肌をつるつるにしてね。
痩せていた俺の身体は、身体中の毛を剃るとまるで女の身体みたいだった。
早速俺はメイド服を着た。着てる最中は、胸の高鳴りが抑えられなかったね。
さあ、鏡の前に立つ。そこには、本物のメイドさんがいたんだ。俺は感動した。
感動して、涙があふれ出てきた。メイドさん、いや、これは俺、俺がメイドさんだ。
俺はきれいなメイドさんになれたんだ。ああ、憧れのメイドさんになれたんだ。
そして記念に一枚撮った。デジカメで、鏡の前に立つメイドさんを撮った。
ところが撮った後、何か得体の知れない虚ろな感じに囚われたんだ。
あれ、俺何やってるんだろう。メイドさんになって、何したいんだろう、ってね。
俺は自分の胸を掴んでみた。そこには何のふくらみもない。
股間に手を当ててみると、変なかたまりがある。
これは、これはメイドさんじゃない。俺はメイドさんなんかじゃない。
メイドさんは、胸が豊かで、股間にいちもつなんて持っちゃいない。
俺は偽物のメイドさんなんだ。偽物だ。メイドさんなんかじゃない。
一気に俺は悲しくなってきた。この目の前のメイドさんは、偽物だったんだ。
こいつ、こいつは偽物だ。お前はメイドさんなんかじゃないんだ。
俺は怒って、メイド服を裂いたんだ。びりびりと破いて、肌が露わになった。