過労自死事件

 6月11日夜、郵政産業労働者ユニオン(郵政ユニオン)の電話が鳴った。

「A郵便局(仮名)集配の社員」からの悲痛な内部通報だった。

「今日、かもめ〜るの売り上げが低い者4人が局長室に呼ばれ、局長から、『おれはひとり殺したことがある。おまえらわかっているだろうな。今日ゼロだったら帰さないからな』と言われました。だから自分で買いました」

 某県のA郵便局の局長は、関係者の間ではちょっとした有名人だった。過労自死の遺族が日本郵便の責任を問うて起こしたさいたま新都心郵便局裁判(さいたま地裁係争中)で、遺族側の準備書面にもその名が登場する。

 さいたま新都心郵便局には、過大な営業ノルマがあり、未達の者は怒鳴られ、朝礼の際、台に上がって謝罪させられてきた。社員たちはこの台を「お立ち台」と呼び、それは怨嗟の的となってきた。ちなみにこの「お立ち台」は、

「月刊宝島」(宝島社)に筆者の記事が掲載された後、日本郵政の西室泰三社長が「あってはならない」と厳命し、ようやく廃止された。A局局長は、以前さいたま新都心局で第一集配課長を務め、その際に過労自死事件が起きている。

 部下を死なせたことを悔いるどころか、「ひとり殺した」と吹聴し、それをノルマ達成の脅し文句に使うなどということがあるのか。

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