>>601 つづき

前述したように、『相関関係は因果関係ではない』し、『交絡因子の強い作用』があり、
『逆因果関係』である可能性が高いのに、まるで大麻が原因のように言うのは、
非科学的であり、虚偽の報告である。

また、使用頻度、使用量を調べていないのは致命的な欠陥である。
このような研究の誤謬は『虚偽の原因の誤謬』と言って軽蔑の対象となる。

それでは、元論文から詳細なデータを見てみよう。

非使用者と比較して思春期に大麻を使用した群は・・・

・不安を感じるオッズ比は、統計的に有意でなかった。1.18(95%のCI、0.84-1.67; I2 = 42%)。
・うつ病をもつオッズ比は、1.37(95%のCI、1.16-1.62; I2 = 0%)。
・自殺願望のオッズ比は、1.50(95%のCI、1.11-2.03; I2 = 0%)。
・自殺未遂のオッズ比は、3.46(95%のCI、1.53-7.84、I2 = 61.3%)。

《1.37》などの数値は、非使用者に比べて、《1.37倍》のオッズ比と言う事。
この数値は、交絡因子、逆因果関係などを考慮すると決して高いとは言えない。

また、うつ病のリスクの増加は不安の形成と関連性があるのに、
不安形成は統計的に有意ではない事は矛盾が生じる。

不安は自殺傾向と関連しているのに不安は有意ではない事も論理的に破綻している。
自殺願望と自殺未遂のオッズ比の大きなギャップも論理的な説明が付かない。

《I2》と言うのは、研究間の異質性を表している。
自殺未遂のオッズ比の(I2 = 61.3%)は、調査研究間の《異質性が大きい》事を表している。

この問題においても分析結果は信憑性が低いと言わざるを得ない。
この研究結果は誤謬、矛盾、欠点が多く、論理的に破綻している。