――その後、選抜メンバーとして定着するかと思いきや、去年のいま頃、
15枚目の『裸足でSummer』では2人ともアンダーメンバーになって。
井上 あの頃は苦しかったなぁ。思い出しても泣きそう。
万理華 そうだったね。私は真逆で元気だったけど(笑)。
井上 万理華に毎日のように怒られてた(笑)。
万理華 怒ったわけじゃないけど、小百合があまりに暗かったから。
井上 「こっちまで落ち込むじゃん」と言いながら励ましてくれて。

――その時も2人の状況を暗喩するような『行くあてのない僕たち』のショートムービーが制作されましたよね。
井上 湯浅監督に「ドキュメンタリーじゃなくて2人の『お芝居が好き』という共通点を生かせる作品を作りたい」
と話したんです。
万理華 それぞれ面談したけど、同じことを話してたんだよね。

――万理華さんは最近吹っ切れた印象があります。
万理華 吹っ切れたというわけじゃないんですけど、いまは「自分のやりたいこと」と「求められていること」が
一致している時期だから、それを形にすることがモチベーションになってるんです。

――乃木坂46を6年間続けてきた意味を感じることはありますか?
万理華 もちろん感じますよ。乃木坂での活動を経て、「これが得意なんだ」とか「これは苦手なんだ」ということが
ハッキリしてきて、「じゃあ、一体自分がやれることはなんだろう」と考えた時に「やっぱりこうだ」と固まってきたんです。
自分が中学生の頃に考えていた単純な「将来の夢」とは違う、「社会人として仕事につながる夢」が形になろうとしてる。
その夢が具体的になったのは、乃木坂の6年間があったからだと思うんです。
15歳の子供に対して大人の方が同じ社会人として接してくることも普通は体験できないじゃないですか。
普通は、高校生、大学生を経験して就職活動を経たうえで社会人になるのに、その過程をすっ飛ばしてるわけで。
ありがたい環境にいさせていただいてるなと思います。