卒業する西野とセンターを継いだ飛鳥の
二枚看板の物語(以下ネタバレあり)

乃木坂を去る西野と年月の経過で卒業メンバーが増えてきた
状況に関して涙ながらに語る、人間関係が
消えていくことを嘆く残された者。
反面、飛鳥は自分が集団にあまりなじめず、距離をとって
しまう自分の姿について語る。
そして後半、展開が動く。
さんざん卒業で濃い人間関係が消えていくことを嘆くメンバーを映し出し
ながら、人間関係がもともと「なかった」地元の成人式や
中学の同窓会へ飛鳥が足を運ぶのだ。
そこに物語の反転が起きる。

同窓会では皆が盛り上がってる一方で、飛鳥自身はいつものように
恐縮しながら同窓生の輪に溶け込めない。
それでも先生から無理やり挨拶を促される。
飛鳥のよそよそしさとは別に同窓生は拍手で温かく迎える。
最後に飛鳥自身から「さっきはすまなかった。今日は来てくれて
ありがとな」と先生からの感謝の念が伝えられる。

残されたメンバーは卒業するメンバーについて、飛鳥は
自分自身について語りながら、自己を表現していて
各々がそこで自分の存在を自然と証明している。
しかし先生や同窓生が登場することで、まったく無関係だった
と思える者から、深く語らずとも自分の存在を気に留めてもらえることの
意外な喜びがここで映し出されている。
そこにまたもう一つの物語の反転があり、それは「君の名は希望」
のような乃木坂の楽曲のテーマのひとつでもある。