桃子は先輩に乗せられて、全くなる気のなかったアイドルになって、歌もダンスも芝居もグラビアも
そこそここなして、何をやっても才能の片りんを見せてくれたがただひとつ、「やる気」がなかった。
ないと言っても投げやりなわけではなく、ただ、どんなに才能があると褒められても本人の中で
「やりたいこと」ではなかったアイドルを、ただメンバーのため、スタッフのため、ファンのために
やり続けることに自分の人生の意味を見出していなかった。
だから息切れして休業した。
その桃子が「歌うこと」「歌を聞かせること」に初めて主体的に向き合ったのがあの電視台だった。
桃子が自分のアイドルとしての人生に意義を見つけ出せず苦しむのを、そばで見ていたでんは、
だから桃子が自分の意志で、まずは歌うという行為で再び自分の人生を意義あるものとして歩き
始めるさまを見て、「桃子のすべてがある」「桃子には幸せでいてほしい」と涙したのだと思う。
見るものが胸を打たれたのはそういうひとりの人間の覚悟をもって踏み出した一歩と、それを温かく
見守る仲間の存在に対してだったのじゃないか。
選曲とかそういうのは、この曲は桃子がカラオケでよく歌ってたと与田も言ってたし、単に自分に
合った音域の好きな曲を選んだのであって、マッチするのは当然で、枝葉末節だと思う。
深夜の長文キモチワルイw。