トイレに見つけた ポツリ ということ


ほかに気配もないとき人は
存在してもいい という感触を
必死で思い出そうと
アノコロという架空に逃げ込んだりする

見えることは伝わることじゃなくて
暑いのか寒いのか
痛いのか痒いのか
そんな至近距離を
共振出来ないもどかしさが
言葉なんて魔物を孕ませたんだろう

ミトコンドリアイブの末裔が
遺伝子染み付いた
サミシイを叫び続ける朝

綺麗なだけの嘘に体温を宿らせたいと
残酷な絵の具を欲しがる指先が
少しかじかんでいる