「先輩」

今になって あなたが間違っても見る筈のないこの場所で
こんなことを告白するのは微妙にずるいけれど

先日私が泣いてしまったのは そりゃあゴキブリが怖かったのもあるけれど
あなたがあんまり無邪気に快活に殺生を行うものだから
びっくりするやら びっくりしすぎて笑ってしまうやらで
気がついたら子供みたいに泣いていた、というのが
本当のところなのです

だけど
「ゴキブリなんか怖くないて!」と
やっぱり快活に笑いながら励ますあなたを見ていたら
何だかどちらでもよくなって
気持ちが解れて、わらっていました

あなたという人は本当に
本当の意味で 全く子供みたい

どんなに小さなことでも 詰まらないことがあれば機嫌が悪そうだし
嬉しいも楽しいも眠たいも 顔を見ればすぐにわかるし
「ど」がつく負けず嫌いだし
割に 体の変化を憂いて寂しそうに笑ったりして

わからなくなるな。
こんなに無邪気に、子供そのものみたいに 日々にあるのに。

もしかしたら気を悪くするかな、なんて思って言ったことはないんだけど
二月にいっぺん綺麗な栗色に染める髪
実は 元の色もとても好き

でも、染め上がる度満足そうな顔も好きだから
やっぱりどっちだっていいや。

前述の件、手を洗うから大丈夫って
わかるようなわからないようなことを言っていたけど
やっぱり私には衝撃だったよ

帰ったら一緒に蜜柑を食べよう
そのうちまたお寿司のランチに誘ってみよう

来年も 再来年も その先も

あなたを見てると
いつまでも続く気がするのに

気がついたら昔より年を重ねてる
あなたも
私も

気がつかれないであろう頻度で
オセロに負けてあげる回数も 増えてゆくんだろうか
いつかそんな風に 見つめられる日がくるんだろうか

ずるい私。 届かない独り言を
子供みたいな あなたへ

いつも有難う。先輩。
近い休日、またランチでも