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<<<選者指定>>>ポエム大会

0001名前はいらない
垢版 |
2010/10/16(土) 14:18:57ID:yuEKVvl+
お題に沿って詩を書いて
投稿するスレです。
投稿された詩の中から選者が
1番よかった作品を選びます。

優勝者の方はお手数ですが、
次の選者の指名をよろしくお願いします。

詳しくは>>2-3あたり。
0017ドバドバ共和国 ◆2Z4PYFVRlw
垢版 |
2010/10/25(月) 21:55:59ID:+eK3F73h
21世紀叙事詩「天国への階段(1/2)」

人は夢を見るために 森に生まれてきて
夢を見ていない時は それぞれの洞窟に一人でいる
フミ子は秋色の森の中を歩きながら
夢を探す夢に夢中になっていた
−−栗鼠さん、こんにちは。今日は虹色の木の実は見つかったかしら?
樹上の縞栗鼠は にっこりと笑うと答えるかわりに空へと駆けあがった
優しい目をした男の子と出会ったのは
それから三十歩も行かないうちのことだった
切り株に座った彼は フミ子を待っていたように話しかけてきた
−−やぁ、かわいいお嬢さん、お散歩かい?
−−そうよ、美しいひと、あなたを探しながら
フミ子がプリンセスの会釈をすると
男の子は照れたように笑って頭を掻いた
青い小鳥と黄色い蝶がじゃれながら舞い
木漏れ日がフミ子の背中をあたたかく撫でた
−−僕は
と男の子の幻が言った
−−中学生みたいだけど実はよん
−−言わないで
フミ子が叫んだ
男の子の幻は言い直した
−−中学生みたいだけど実は45歳無職の
−−そんなことを言ったら
フミ子は必死で遮った
−−あたしなんて女子中学生みたいに見えるけど実は51歳独身の
森から木漏れ日がさぁっと引いていき
−−だけど昨日会ったばかりのあなたを
洞窟の中にフミ子の声がくぐもって響いた
−−ハローワークで見初めたの
言い終えた彼女は一人だった
涙まじりの語尾が洞に余韻をしばし漂わせ
雨の音のように熟女の背中に寒く注いだ
−−あたしは
−−どうせあと15年もすれば老いに侵されて
−−さらに15年もすれば消えるかもしれない
−−それならいっそ今この洞窟で

0018ドバドバ共和国 ◆2Z4PYFVRlw
垢版 |
2010/10/25(月) 21:57:02ID:+eK3F73h
21世紀叙事詩「天国への階段(2/2)」


青い髑髏と黄色いカマドウマが じゃれながらカサカサいい
白すぎる月が フミ子の乾いた涙を照らした
−−ねえ
−−あたしは森の中で 夢すぎる夢を見るからいけないというの
−−もっときっと誰かのように 現実的な夢が見られたなら
−−この場所を知ることもなく 安らかに逝けるというの

洞窟の奥のほうから
音量を抑えたTVの中を駆ける鉄馬車のような
小さな轟音が聞こえはじめる
だんだんと近づいてくる
勇ましい馬と車と男達の群れのその中心に
多頭立て馬車にくくられた天国への階段
雲を引き擦りながらやってくる
−−あれに乗って明日ハローワークへ行こう
−−あたしはあたしだもの

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