星が流れるという夜
眺めているあいだに
時は過ぎる

すこしずつ
回転しているはずの空は
無口で

独り言でも 口にしなければ

そんな気がしてくる

鈴生りの 柿の木に
まちがって からんでしまった
蔓 隼人瓜

冬に生ったら
ハヤトじゃないね
とか

ばかなことを
ほかに話すこともないから

宇宙も ちゃんと
歳をとっているのかな
とか

ばかなことを
ほかに言いようがないから
って

時は過ぎる


野良猫は ときどき 
散歩する
足音を消すのを忘れて

だんだんと
白く 見えてくる
吐く息

星の流れるのを
待っている